小学校では、入学してくる児童の保護者向けに「説明会」をしている。
学校での生活について保護者に知って頂きたいことを伝える場である。
はじめに、「校長の話」をしてほしいとのことだったので、子育てに関してこれだけは伝えたいという内容の話をした。もらった時間は5分間である。
お話ししたのは、「3つの躾」と「抱っこのススメ」である。
以下、長文です。
保護者の皆様 本日は保護者説明会に参加してくださり、誠にありがとうございます。
本校では、何のために教育活動があるかというと「幸せになるため」と考えております。幸せになるために、賢く、優しく、たくましい○○子になるよう指導しています。
学校での生活がより楽しくなるように、ご家庭でも協力していただきたいことを2つお話させていただきます。
1つめは、3つの躾の話です。2つめは、抱っこ(ハグ)のススメです。
幸せに生きるためには、土台作りがあります。
それは、3つの躾を徹底して身につけさせることです。
この3つの躾を徹底することで、ほかの生活習慣も身についていくといわれています。
私も4人の子育てをしましたが、3つの躾を指導して本当によかったと実感しています。
さて、その3つの躾とは、
1つめが、朝の挨拶です。
2つめが、「ハイッ」という返事です。
3つめが、履物揃えです。
いかがでしょうか?朝起きた時に、おうちの人への「おはようございます」が言えるでしょうか。名前を呼ばれた際に「ハイッ」といえるでしょうか。靴箱や玄関の靴は揃えているでしょうか。
なぜこの3つの躾が大切かというと、
挨拶と返事は、人と付き合うための土台になります。挨拶と返事が気持ちよくできる人は、コミュニケーションが上手にできます。
履物揃えは、モノと付き合うための土台になります。履物がきれいに揃えられる人は、モノをきれいに扱える人になります。
また、きれいに揃っている状態が気持ちいいという感性が身につきます。
そして、この3つの躾ができるということは、自分の心と体を律することができるということです。コントロールできるということです。自然とほかの生活習慣も身についていきます。
すでに十分身についているという子供さんも多いと思いますが、どうぞ「朝の挨拶「ハイッという返事」「履物揃え」の躾の指導は、今後ともよろしくお願いいたします。
2つ目の話です。
抱っこ(ハグ)のススメです。
1日に1回でもいいので、子供さんをギュッと抱きしめていただきたいということです。
毎日抱きしめていますよという家庭も多いかと思いますが、年長さんになると、特に下に弟や妹がいると、抱きしめるという習慣が無くなる家庭もあります。
ぜひ、1日に1回でも結構ですので、子供さんをギュッと抱きしめていただけないでしょうか。
実は、1年生に、「抱っこの宿題」を出したことがあります。その時の保護者の感想を紹介します。
(3つほど紹介)
感想1
我が家では、「おはようだっこ」「いってきますだっこ」「おかえりだっこ」「おやすみだっこ」等、何かする前にだっこをするのが日常です。本人は毎日のことなので、嬉しそうにしていました。抱っこをすることで気持ちの切り替えができるようです。とってもとっても良い宿題です。
感想2
まだまだ甘えたい時期なのに、下に妹と弟がいることで素直に甘えられていないのが分かります。だから、この「抱っこの宿題」は、これからもコミュニケーションとしてやり続け、子供との信頼関係を築いていきます。
感想3
日々の忙しい時間の中で、「抱っこ」をすると本当に心が落ち着き、安らぎました。どうしても怒ってしまいますが、落ち込んでいるときにギュッとすることで、子供も私も幸せな時間が過ごせました。○○だけをギュッとしていると、お姉ちゃんも弟も来て、3人ともギューッと。こんな時間も限られてくると思うので、これからも続けていこうかなと思いました。
いかがでしょうか。この「抱きしめる」「ハグをする」という行為によって、親も子も心が癒されることが様々な研究でも分かっております。私も体験してきました。
3つの躾と抱っこのススメというお話をさせていただきました。どうぞご協力をお願いいたします。
この後も様々な説明やお願いがあるかと思いますが、楽しく充実した学校生活を送るために必要なお話です。よろしくお願いいたします。
~以上~
4人の子育てをしてきたので、失敗もたくさんしてきた。しかし、学びもたくさんあった。中でも、「3つの躾」と「抱っこの大切さ」はとても大切な学びだった。
「3つの躾」は、本当に大切である。これができるようになると、あとの生活習慣は自然と身についていく。
また、「抱っこ(ハグ)」は、子どもの心も親の心も落ち着いていく。
自分自身の子育てで、重視してよかったと心の底から感じている。
自分自身が一人目の子を入学させたのが、20年も前のことである。子育てについて迷いの多いときだった。上の話は、20年前の自分に聴かせるつもりで話した。
その頃の自分が聴いたら、その頃やっていた「躾」や「抱っこ」を肯定してもらえるような、応援してもらえるような気がする。
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