「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

ゆで蛙 2005・01・10

2005-01-10 07:00:00 | Weblog
 「ぬるま湯の心地よい温もりでカエルは茹であがって死に至る」

 変化に目覚めない人や組織を「ゆで蛙」にたとえて警鐘を発するときによく使われます。言い得て妙です。 

 バブルが弾けて間もなく15年、不良債権の山を築いた「銀行」や「生命保険会社」の頂点にあった人々の誰も彼もが「自分たちは先例のとおりやって来ただけで、悪いと思ってやってきた訳ではない」と釈明するか、ひどいのになると「何が悪い」と開き直るばかりで、「自分はこうした」と責任のある物言いの出来る人は出ませんでした。

 官であれ民であれ、責任をとるのがお役目である人々が、取るべき責任をとらないことほど、組織を腐らせるものはありません。不祥事が頻発するのも宜なるかなと思わせます。。

 見識を備え、ビジョンのある、自分で物事の是非善悪の判断のできる、自分の言動に対しては全面的に責任を持つバランスのとれた経営者が現われ、若いものの力を存分に発揮させるような組織運営を図らない限り、また護送船団方式の時代に慣れきってしまった、保身や我欲を満たすことにのみ熱心な、経営者や取り巻き連中が完全に現役を退くまでは、本格的な企業再生は望めないかも知れません。

 金融という一業界の企業群に対する「ゼロ金利」という国を挙げての「救済政策」を一体いつまで続けていく積もりなのでしょうか。今の時代を生きる日本人は、バブル期に金融機関がやった無茶苦茶の「つけ」をこの15年払い続けさせられてきたのです。この先何年「つけ」を回し続ければ済むのでしょうか。
コメント
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