「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

良寛さん 2005・01・25

2005-01-25 07:00:00 | Weblog
 今日の「お気に入り」は良寛さん(1758-1831)の歌です。

 読み返すたびに気持ちがやすまります。
 

 「古えに 変わらぬものは 荒磯海と 向かいに見ゆる 佐渡の島なり」

 「たらちねの 母が形見と 朝夕に 佐渡の島べを うちみつるとも」

 「きてみれば わが故郷は 荒れにけり 庭のまがきも 落ち葉のみして」

 「いざここに 我身は老いん あしびきの 国上の山の 松の下庵」

 「山かげの 岩間をつたう 苔水の かすかに我は すみわたるかも」

 「夜もすがら 草のいおりに われ居れば 杉の葉しぬぎ 霰降るなり」

 「むらぎもの 心楽しも 春の日に 鳥のむらがり 遊ぶを見れば」

 「霞立つ 長き春日を 子どもらと 手まりつきつつ 今日もくらしつ」

 「この里に 手まりつきつつ 子どもらと 遊ぶ春日は 暮れずともよし」

 「今日もかも 子らがありせば たずさえて 野べの若菜を つまましものを」

 「この世さえ うからうからと わたる身は 来ぬ世のことを 何思うらん」

 「つきてみよ ひふみよいむな ここのとを 十とをさめて またはじまるを」

 「歌もよまむ 手毬もつかむ 野にも出む 心ひとつを さだめかねつも」

 「しろたえの 衣手寒し 秋の夜の 月中空に 澄み渡るかも」

 「君や忘る 道やかくるる このごろは 待てど暮らせど 訪れのなき」

 「あづさゆみ 春になりなば 草の庵を とく出て来ませ あひたきものを」

 「秋萩の 花咲くころは 来て見ませ 命またくば 共にかざさむ」

 「月よみの 光を待ちて かへりませ 山路は栗の いがの多きに」

 「いついつと 待ちにし人は 来りけり いまは相見て 何かおもはむ」

 「惜しめども 盛りは過ぎぬ 待たなくに 止めくるものは 老いにぞありける」

 「ゆくりなく 一日二日を おくりつつ 六十路あまりに なりにけらしも」

 「形見とて 何か残さん 春は花 山ほととぎす 秋はもみじ葉」
コメント
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