今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から、昨日と同じ「『戦前』という時代」と題した昭和60年の連載コラムの一節です。
「とはいうものの私は政治と経済のことには今も昔も関心がない。私は『春秋に義戦なし』という教えをうけたものである。だから満州国は傀儡政権だとはじめから思っていた。また鬼畜米英などと言われても彼が鬼畜なら我も鬼畜だろうと思っていた。彼に正義があるなら我にもあろうと思っていた。原爆許すまじといっても出来てしまったものは出来ない昔には戻れないと思っていた。」
(山本夏彦著「『戦前』という時代」文藝春秋社刊 所収)
「とはいうものの私は政治と経済のことには今も昔も関心がない。私は『春秋に義戦なし』という教えをうけたものである。だから満州国は傀儡政権だとはじめから思っていた。また鬼畜米英などと言われても彼が鬼畜なら我も鬼畜だろうと思っていた。彼に正義があるなら我にもあろうと思っていた。原爆許すまじといっても出来てしまったものは出来ない昔には戻れないと思っていた。」
(山本夏彦著「『戦前』という時代」文藝春秋社刊 所収)