徒然写真帳

郡上でX人で始めたブログです。管理人の転居により、下呂、美濃、岐阜、恵那、下呂を経て一宮発のブログに!

トチの実

2010-10-28 21:31:20 | Weblog
 トチノキの果実の写真を持っていないことに気がついたのが先月。
 今年は写真を撮りました。
 トチノキの果実は三裂した果皮の中に3つの大型の種子が入っています。
 種子は果皮をつけたまま落下した衝撃で果皮が避け種子が飛び出るという性質があります。
 ですので柔らかい箇所に落下すると果皮がついたままの状態で落ちています。
 かつて、仕事でトチノキの種子を採取した時、果皮がついたままの種子を拾い手で剥いて種子を取り出していたのですが、とても手間がかかり面倒な作業だな~と思っていました。
 しかし、落下の衝撃で果皮が裂けるという性質を知ってからは作業は楽になりました。
 どうして楽になったかというと果皮が付いた種子を石にぶつけるだけで簡単に種子が取り出せたからです。
 しかも、この作業は面白い!皆さんも来年機会があったら試してみてください!!
 このトチノキの果実は栃餅やトチのみ煎餅の材料となります。
 しかし、果実の中にはサポニンを含んでいるため灰汁抜きをしないと食べられません。
 見た目が美味しく見えるトチの果実実は生食できるのでは?と思い以前囓ってみたのですが、とても苦く食べられませんでした....
 こんな苦いものを食べようと考え灰汁抜き技術を編み出した昔の人達はすごい!と思いました。
 何故、そこまで苦労して食べたのだろう?という疑問も同時に持ちました。
 私の疑問の答えは法政大学出版会から出版された木の実という書籍に隠されていました。
 その本の中に斐太後風土記から昔の人の食生活を解析した結果を紹介する項があります。
 その中では昔は主食である米、または稗、黍、粟だけでは十分なデンプンを得ることができずカロリー不足になっているということです。
 ですから昔はデンプン質を多く含む木の実を食べることは生きていくには大切であったということです。
 そんな事情があったのでサポニンを含み生食することを出来ないトチの実を灰汁抜きをしてまで食べていたということを読み取ることができ、かつて私が持っていた疑問を解決することができたのです。
 今は米の生産技術が高まり木の実からデンプンを得る必要が無くなったことから日常的に食べることはありませんが昔は本当に大切な食料源であったのです。
 そんなトチノキは大切な木であったため大切に守られ、今なお巨木として残り私のように森遊びをする者にとっては魅力的な樹木となっているのです。
 あと、余談となりますが今は飽食の時代で高カロリーの食物を容易に得ることができますのでデンプンを以前ほど多く採らなくても生きていくことができます。
 そんな事情も米あまりの状況を作り出しているのでは?と勝手に思っています。
 ちなみに現在ダイエット中の私はデンプンの摂取量を減らし順調に体重を減少させています。(管理人)

                        トチノキの種子(果皮付き)
                        

                        トチノキの種子
                        




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コメント (2)
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