あづまうた)
みちのくの歌
1087 阿武隈(あぶくま)に霧立ちわたり明けぬとも君をばやらじ待てばすべなし(1733)
1088 みちのくはいづくはあれど塩竃の浦漕ぐ舟の綱手悲しも(1734)
1089 わがせこを都にやりて塩竃のまがきの島のまつぞ恋しき(1735)
1090 をぐろさきみつの小島の人ならば都のつとにいざと言はましを(1736)
1091 みさぶらひ御笠と申せ宮城野の木(こ)の下露は雨にまされり(1737)
1092 最上川のぼれば下る稲舟(いなふね)のいなにはあらずこの月ばかり(1738)
1093 君をおきてあだし心を我が持たば末の松山波も越えなん(1739)
相模歌
1094 こよろぎの磯たちならし磯菜摘むめざし濡らすな沖にをれ波(1740)
常陸歌
1095 筑波嶺(つくばね)の此面彼面(このもかのも)に陰はあれど君が御陰にます陰はなし(1741)
1096 筑波嶺の嶺の紅葉葉おち積もり知るも知らぬもなべて悲しも(1742)
甲斐歌
1097 甲斐が嶺(ね)をさやにも見しかけけれなく横ほり臥せる小夜(さや)の中山(1743)
1098 甲斐が嶺を根越し山越し吹く風を人にもがもや言伝てやらん(1744)
伊勢歌
1099 おふの浦に片枝(かたえ)さし覆ひなる梨のなりもならずも寝て語らはん(1745)
冬の賀茂の祭の歌 藤原敏行朝臣
1100 ちはやぶる賀茂の社の姫小松万代経(ふ)とも色はかはらじ(0598)
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◎古今和歌集を一番最後からみなおしてみると、実におもしろいことがわかってくる。メモにしながら毎日眺めていきたい。