宮本常一せんせの言われた珠玉のような箴言である。
「人間は伝承の森」である。
まさに、まさに然りである。愚生と一緒で、名も無き庶民の智慧を求めての調査探究の生涯であられたと思うのである。父上の言葉もいい。
「汽車に乗ったら窓からよく外を見よ、そして田や畑に何が植えられているか、育ちがよいか悪いかをよく見よ、村でも町でも新しく訪ねていったところは必ず高いところに上って見よ」
いい言葉である。
今でも、愚生はこれを実践している。デジカメの時代である。なんぼでも撮れるではないか。柳田、折口学とは違って、文献を主流としているのとは対極にある宮本せんせのスタイルである。いいものである。