[かわいい]
かわいいという言葉がある。
どのような場合に使われるのだろうかと思うことがある。孫に対してオレはよく使うなぁとしみじみ思う。なんのためらいもなく使うのだが、「ためらいもなく」という点が重要である。孫は圧倒的にかわいいからである。理由なんかない。ただひたすらにかわいいからである。
先日、ある女性政治家にこのかわいいを彼女のFacebookで連発していた多数の輩がいた。あふぉ~な男性諸氏もずいぶんいるもんだと呆れていたが、案の定、女性政治家を支援する男性に一喝されていた。いい加減にせーよ!というわけだ。政治的な行動を期待するのが、彼女に対する基本的な関係性のあり方であって、なにもかわいいだの、美人だのということとは無関係だと云う。当たり前である。
そんなもんで、女性を評価しているってことは、オノレのバカさ加減を天下にさらしているということになる。オレもバカだが、そこまでバカではない。
なんのためらいもなく、かわいいと連発できるのであろうか。そこには、ゼッタイすけべーこころという打算がある。だからできるワケがないとオレは思うのだ。オノレの原罪というモノを知るべきである。我々は、実に罪深い存在なのだ。誰だって、ただの一回も罪を犯したことが無いと云うことができるやつなんていない。オレだって、奥羽山脈の奥深くで育って、野いちごを盗み食いしたことがあったし、山の清流を泳いでいる川魚のいのちを奪って、焼いて食った記憶がある。スズメを山の中で、パチンコで打った記憶もある。決して、清廉潔白ではないのだ。もっとも、法律に違反するようなことはしていないけれども。当たり前だ。でないと、定年まで仕事することはできないから。
しかしである。かわいいと云うことで思うことがある。女性に対する評価として、特に相手が大人であったならば「かわいい」という言葉は、いかがなものかということを。
美しいとか、綺麗という言葉ならまだ許せる。綺麗という言葉は特にいい。
意味は以下のとおりだそうだ。
き‐れい【×綺麗/奇麗】
[形動][文][ナリ]
1 色・形などが華やかな美しさをもっているさま。「―な花」「―に着飾る」
2 姿・顔かたちが整っていて美しいさま。「―な脚」「―な女性」
3 声などが快く聞こえるさま。「―な発音」
4 よごれがなく清潔なさま。「手を―に洗う」「―な空気」「―な選挙」
5 男女間に肉体的な交渉がないさま。清純。「―な関係」
6 乱れたところがないさま。整然としているさま。「机の上を―に片づける」
7 (「きれいに」の形で)残りなく物事が行われるさま。すっかり。「―に忘れる」「―にたいらげる」
提供元:「デジタル大辞泉」
全部考えさせられる意味である。「綺」なるほど、「麗」。つまり、滅多にないほど、麗しいということなのだ。これはこれはすばらしい形容である。
特にオレの気にいった意味は、「5」である。
「男女間に肉体的な交渉がないさま。清純。」と書いてある。こりゃいい。現代小説と真逆である。綺麗な関係なんて小説にしていたら、売れねぇのだろうな。売るために書いているとはクチが裂けても云うつもりはないが、受け狙いの男女関係を書いてそれを収入にしているって部分も否定はできないだろうから。それは映画も御同様である。売るために、ラヴシーンを設定してやっているんではないかと勘ぐりたくなる小説も、映画もあるからだ。女優を見ているとかわいそうになっちまう。そうなの?そんなに、ラヴシーンに必然性があるの?とせせら笑いたくなる。 必然性とか映画の監督と出演者というのは、議論するのだそうだから。
そもそも必然性なんて言葉は、それが少なくとも後から付け加えられた場合には、いくらでもウソがつけるわけである。いかがわしいのだ。ホントカ?と疑ってオレは生きてきた。疑いがないと、論文なんて書けねぇ、書けねぇから。
(^0^)
オレもあれだ。
かわいいじじいでありたいね。
なんの打算もない、じつに綺麗な、清純なじじいでありたいよん。
もうなっているか。
わはははははは。
さ、今日は大学に登校するのだ。院生室に久しぶりに行く。図書館に本も返す。原稿書きもしてくるのだ。かわいいじじいとしてだ。
(^_-)-☆