珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

ラテン×コーラス

2011-11-26 21:22:51 | ボサノバ/ラテン
”ボサノバ=気だるさ”といったイメージを、私に植え付けたのは間違いなくJoao Gilbertoです。『Getz/Gilberto』に接して四半世紀になりますが、気だるいヴォーカルは、当時ロックやポップスに慣れた耳には新鮮でした。私はあまり気にしませんが、ジトッとした男性ヴォーカルは好き嫌いが分かれるところでしょう。今回は気だるさとは逆の、スカッと爽やか路線のボサノバ、ラテンサウンドを紹介します。共通しているのはコーラスものであることです。

ラテンの名曲「Mas que nada」を知ったのは、Sergio Mendes&Brasil'66のアルバムです。本家Jorge Benのそれを聴いたはずっと後ですが、素朴な本家に比べると洗練を感じます。写真は1stと2ndアルバムですが、私は90年過ぎにこの2枚を同時に買って聴きまくっていました。なので、個人的には2枚で一つの作品のような印象があります。ボサノバ、ビートルズ、スタンダードと選曲の幅が広いですが、洒落た感じは一貫しています。ピアノ×(女性)コーラスの組みわせは爽やかさの王道ですね。



こちらはヴェネズエラの作曲家Aldemaro Romeroの72年の作品です。最近はネットで情報を仕入れてCDを購入することが増えました。経緯は忘れましたが、これもネットで見つけた1枚です。単純ですが1曲目の「It's impossible」のチェンバロ→女性コーラスの入りで、アルバムを買って正解!と思いました。アルバム全体を通じて透明感溢れる混声コーラス(メインは女性)を楽しめます。ジャケット裏面も微笑ましいショットですので、興味ある方は探してみて下さい。


最後は4姉妹のコーラスグループQuarteto Em Cyです。ロックバンドのHeart、日本のコーラスグループEVEなど、声質の似た姉妹のコーラスには独特の美しさがあります。Quarteto Em Cyの存在を知ったのは、J-WAVEの番組「サウジ・サダージ」のコンピレーションアルバムです。飾らない、ゆったりとしたコーラスに微笑ましさを覚えます。写真は1964年のデビューアルバムです。3曲目の「Berimbau」はセルメンに比べると洗練度は下がりますが、逆に癒し度が上がります。


さて、海外で売れている由紀さおり&ピンク・マルティーニの『1969』、私も買ってしまいました。このアルバムには「Mas que nada」が入っているのですが、歌が上手ければ年齢も国籍も関係なし!で、良かったです。
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Antonio's Song

2011-05-08 07:31:42 | ボサノバ/ラテン
いつものことながら、大型連休は終わるのが早いですね。この時期は新緑や五月晴れの清々しさが嬉しいです。もうしばらくすると梅雨と酷暑ですから、余計に有難みを感じます。これから夏にかけて聴きたくなる音楽と言えば、私の場合、やはりボサノバです。今回紹介する「Antonio's Song」は AOR の Michael Franks の曲ですから Pops(洋) で取り上げるべきですが、曲を捧げられた大御所 Antonio Carlos Jobim に因んでボサノバ/ラテンとして紹介します。

「Anotonio's Song」を意識して聴くようになったのは、後述する Ana Caram が先のはずです。中学後半以降、洋楽を聴くようになりましたが、ロック路線に直行したので、いわゆる AOR は私的には傍流でした。したがって Michael Franks はリアルタイムでは聴いていません。「Anotonio's Song」は1978年のアルバム『Sleeping Gypsy』に収められています。Michael Franks の気だるそうな歌と、フュージョン界の一線級のミュージシャンによる演奏を比べながら聴くのも面白いです。


Ana Caram を知ったのは、90年代の前半でオーディオ誌のCD評でした。レーベルはチェスキーで、優秀録音盤として紹介されていました。初めてステレオコンポを揃えた時期だったので、オーディオ誌にアンテナを張っていたのでしょう。『Amazonia』を聴いた時も、独特の空気感に音の良さを感じたものです。控え目な「Antonio's Song」ですが、浸るには持ってこいとも言えます。このアルバムをきっかけに、Ana Caram の他アルバムも買い足しています。


続いて日本のUAのカヴァーです。90年代の後半にFM放送で聴く機会があり UAと「Antonio's Song」の組み合わせが頭にインプットされました。その後、忘れていたのですが、何かのきっかけで思い出し、 iTunesさらにはCDでも購入しました。この「Anotonio's Song」は歌もいいですが、ギターが負けじと素晴らしい!です。オリジナルのLarry Carltonよりいいかも。Michael Franks 自身もこのカヴァーを評価している・・・といった記事をどこかで読んだ記憶があります。


「Anotonio's Song」は、他にも多くのアーティストにカヴァーされています。まだ未入手ですが、Salena Jones、Helen Merrillがあります。70年代後半に活躍したシンガーソングライター、豊島たづみバージョンも気になります。79年のアルバム『とまどいトワイライト』に収められています。CDはアマゾンで高値がついてるので、アナログでもいいかなと。

Voyage MPD はチューニングやネットワーク構成の見直しなどやっています。昨日発売されたPCオーディオfan Vol.4でもVoyage MPD の関連記事がありました。落ち着いたところで、苦戦したところ、音質改善点など紹介したいと思います。
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Blasiliance! タンバトリオ

2010-10-21 23:27:53 | ボサノバ/ラテン
ブラジル音楽の魅力の一つに、その多様性が挙げられます。多様過ぎて全貌がわからない、何から聴いたらいいのか分からない、といった声も聞こえてきそうですが、コンピレーション作品から始めて好みのアーティストを見つける、のも一つの手だと思います。ジャズやクラシックとなると、どうしてもオリジナルアルバムに拘りたくなりますが、ラテンの場合、私は少々閾値を緩めています。

写真の2枚のコンピレーションアルバム BRASILIANCE! は15年ほど前に購入しました。ジャズとブラジル音楽の融合をテーマにしたアルバムで、アーティストは Elis Regina、Jorge Ben、Joan Gilberto など錚々たる面々となっています。ライナーを見ますと日本での発売は1993年で、かつてPHILIPS Records からリリースされた楽曲を集めたようです 。以前、当ブログで紹介した Jorge Ben を知ったのも、このアルバムがきっかけです。ボサノバ一辺倒だった私にとって、Jorge Ben のどこか牧歌的なサウンドは録音は古くても新鮮でした。


Tamba Trio の存在を知ったのも、やはりBRASILIANCE!でした。ジャズとブラジル音楽の融合という点ではこのトリオがぴったりだと思います。こちらの写真はデビューアルバムで、タイトルもそのまま Tamba Trio です。2曲目のBATIDA DIFERENTE や9曲目の Samba Novo に代表されるように、フルートが全面に出てくる曲が好きです。軽快なメロディにフルートの音色がマッチしています。Tamba Trio はその後、4人編成になり Tamba 4 としてアメリカに進出します。まだこのアルバムしか所有していませんが、これから両時代のアルバムを集めようと思っています。


まだ私が生まれる前の時代の、それも地球の裏側で演奏された楽曲を、日常生活で愉しむ・・・。時空間を超えたかのような感覚に浸れるのもオーディオの魅力です。音にリアリティがあると、その感覚はより高まります。そして、このような愉しみのきっかけとなったコンピレーションアルバムは、決して捨てたものではないと思うのです。
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Take It Easy My Brother Charles

2010-06-06 07:04:48 | ボサノバ/ラテン
ボサノバから入ったラテン音楽ですが、その後、いくつかのコンピレーションアルバムを買う中で Jorge Ben の存在を知りました。Jorge Ben をご存じない方でも代表曲の Mas Que Nada (Sérgio Santos Mendes が有名)を聴いたことがある方は多いでしょう。サンバがベースにありますが、軽快さと哀愁、そしてブラジルとアフリカがミックスされた独特な世界が展開されています。

Take It Easy My Brother Charles はタイトル通り、力の抜けた軽やかな曲です。1969年にリリースされたアルバム Jorge Ben に入っています。因みにジャケットのギターには、リオの人気サッカーチーム、フラメンゴのエンブレムが描かれています。Wikipedia によると、Jorge Ben はフラメンゴのジュニアチームに属していたようです。サッカー好きの私としては、思わぬつながりに、嬉しくなりました。熱狂的なサポーターにしてみれば、試合前は、とても気楽に行こうよ、とはならないと思いますが、敗戦後の慰めにはもしかしてピッタリかも知れません。

このアルバムでは8曲目の Bebet Vãobora も気に入っているナンバーです。バックのコーラス、ブラス、ギターとの一体感があり、それに少々のサウダージ感が混じっていて、個人的にはツボといった感じの曲です。


Astrud Gilberto もアルバム Now(1972年リリース)で Take It Easy My Brother Charles をカバーしています。こちらは、よりボサノバ色が出ています。曲の軽快さは変わらずで Astrud Gilberto のやや緩い歌声がマッチしていると思います。冒頭では語り口調も聴けます(オリジナルにはありません)。

このアルバムはAstrud Gilberto 自らがプロデュースしています。表題の曲以外にも ノリのいいZigy Zigy Za、しっとりと聴かせる Daybreak や Where have you been? などバランスとれた構成となっています。自身でも4曲を書いていて、彼女の別の才能を感じられる作品となっています。


2つのTake It Easy My Brother Charlesは、勿論 iPod にも入れてあります。忘れた頃に聴くと清涼剤のような感覚となります。
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GETS/GILBERTO

2010-02-18 20:06:02 | ボサノバ/ラテン
このアルバムのカテゴリーは本来はジャズでしょうが、ここではボサノバに
入れさせていただきます。イパネマの娘を聴いたことが、ボサノバに入り込む
きっかけとなったからです。特にアストラッドジルベルトの歌声は私には
インパクトがありました。それまで聴いていたロックやポップスにはない
独特の気だるさに惹かれました。

ディサフィーナード、コルコヴァド、ソ・ダンソ・サンバといったボサノバの
名曲も充実、ボサノバを知らない方に是非聴いてほしい1枚です。ジョアン
ジルベルトのヴォーカル&ギター、ゲッツのサックスそれぞれ渋いです。
さりげないジョビンのピアノにも癒されます。

当時は学生でまだミニコンポで聴いていた時代です。現在の装置と比べると音の
レベルは低かったはずですが、それでも心を掴む曲は掴んでしまうものです。

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