冬至、1年で最も昼が短く夜が長い。古代には冬至が1年の始まりだったとか。明日から1日1日日が長くなってゆく。柚子の樹は初夏に白い花を咲かせ秋に黄色い実をつける。柚子湯はその香りや薬効で体を清めるみそぎの意味があったという。柚子を二つ、ちょっと爪で皮に穴をあけて湯を入れる。
昭和20年5月生まれの私、幼少時はろくに風呂など入れなかっただろう。何回、冬至の日にゆず湯に入ったのか。現役時代はそれほどゆず湯の意味をかみしめてゆったり入るということはなかったのではないか。
ゆったり足をのばして入る湯はひとしお解放感にひたれる至福の時だ。
ゆずの香や 来し方おもひ 湯をかぶり
71年の人生、いろいろありはしたが、大病で寝付くこともなく、事故もなく、家族も元気でやってこれたのはまったく幸運というほかはない。ありがたきかな である。