雑談しながらのボランティア活動の中で、仲間のKさんが茶道を趣味としてながらく茶の道探求に携わっておられることを知り、部会メンバーを対象に九博の茶室「宝満亭」をつかわせていただいてのお茶会体験を企画しもらえませんかとお願いしていたことが先日実現して体験してきました。
九博東側駐車場のサイドに茶室があるのは知ってはいたが中に入るのは初めて。8畳と4畳の茶室が障子をはずすと庭園が見渡せ、12畳の多人数の茶会ができそう。16名が参加、正座の苦手なメンバーのために10脚ほど折りたたみいすが用意されている。
玄関で白靴下に履き替える。待合床には「老松」の色紙額が。主客を指名されたTさんを先頭に入室。
茶室への入り方。正座、センスを前に置き一礼。センスを前に押しりやり、にじり寄る。立ち上がって、畳のヘリを踏まないようにして、床の間の前へ。正座してセンスを前に置き一礼。センスを前に押しやりにじり寄って一礼。掛け軸(今回は鶴舞千歳寿)、花、香合を見つめ確認。立ち上がって、釜の前へ。正座、扇子おき一礼。そして座席位置へ戻る、などなど。これを客全員が揃うまでやる。それから亭主が入ってこられる。襖は左手で動かして右手で閉める?まあこの辺の基本ルールがいろいろありそう。いったん襖をあけて、中に入ると静寂の別世界に入ってゆき、調身、調息、調心。動作ごとに扇子を置くことで結界を開いてゆくということか?
亭主はおもてなしの精神で掛け軸や花や時節にあわせて選定。花なども開始時閉じていたのが、だんだんと開花してゆく様を見れるようにするとか。客は亭主や隣席の客への気配り、目配り、「お先に」という一言。
お茶には濃茶と薄茶がるようだが、表千家、裏千家、武者小路千家など家元があり、それぞれの礼式に従って、お茶をたてていただく。泡立てるのは薄茶で、客も最後の泡を音をたてて飲み切ることになる。亭主の一挙手一投足を客がじっと見つめ、静寂があたりを支配する。その簡に出されたお菓子をいただいておく。干菓子の時は懐紙に手で取り食べる。生菓子の場合はついている黒文字で食す。亭主のとなりに座っている女性が客の前にお点前を茶碗を正面にむけて持ってきてくれる。互いに一礼してお茶碗をいただき、正面の絵柄を鑑賞し、ぐるっと90度まわして、3~4回で飲み切り、飲み口を懐紙でふき取り、正面にもどして前に置く。「結構なお点前でございました」と一礼。
今回は特別に炉の中を見せてもらったり、お茶を点ててみる体験も。Kさんも茶道の世界に55歳の時、入られ15年とか、講師をしていただいたOさんは30年の大ベテランとか。奥が深い茶道の道を究めるには相応の年月が必要なようだが、身につけばおもてなし、静寂の世界が自然体で楽しめるようになるのだろう。今回は畳の上にじかに正座、足腰が硬い私など3分も持たない。椅子で失礼させていただいた。
大河ドラマなどで千の利休と秀吉が3~4畳の狭い空間で対峙する場面が思いだされたが、はりつめた緊迫の空気に支配されたお茶の空間だったことがひしひしと感じさせられる。
思えば、仕事漬けの現役時代、ゲスト講師を招聘しての勉強会などやったことはあったが自ら茶道の世界に浸ってみようとはしなかったし、勧められることもなく、乾ききった世界の連続だったですね。もっぱら酒とカラオケの世界でごましていたようで残念でした。少しでもかじっていれば、煩悩の世界も和らいだかもしれませんね。
Kさん、すばらしい茶道体験会、ご協力いただきありがとうございました。
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