2014/02/19
「短歌塾卒業試験で八十点とれりゃ合格試してみよと()」
「短歌塾最終章は推敲を取り上げことの重要さ説く()」
「新聞の歌壇に投稿する人ら毎週どっさり送る人あり()」
「下手な鉄砲数打ちゃハズれ打てば打つほど皆ハズれ()」
「よき人は毎週二、三首投稿を推敲のあと出すがおすすめ()」
「推敲は推オすか敲タタくか迷いたる賈島カトウ韓愈カンユに尋ねた故事と(賈島カトウ、韓愈はともに唐代の詩人)」
「前:若ければふらんすに来て心酔ふ野辺の雛罌粟町の雛罌粟(与謝野晶子)」
「後:ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君も雛罌粟われも雛罌粟(与謝野晶子)」
「前:あの夏の数かぎりなくそしてまたたつた一つの表情に死なむ(小野茂樹)」
「後:あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ(小野茂樹)」
「前:あなたふと木の下闇も日の光()」
「後:あらたふと青葉若葉の日の光()」
「前:五月雨や年々ふるも五百たび()」
「後:五月雨の降りのこしてや光堂()」
「前:山寺や岩にしみつく蝉の声()」
「後:閑さや岩にしみ入る蝉の声()」
「前:五月雨を集めて涼し最上川()」
「後:五月雨を集めて早し最上川()」
「前と後大きく変わる人のこと推敲魔とぞ呼ぶこともあり()」
「明らかに芭蕉は天下の推敲魔北原白秋これに続けり()」
「前:ヒアシンス薄紫に咲きにけりはじめてkissをおぼえそめし日(北原白秋)」
「後:ヒアシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫フルひそめし日(北原白秋)」
「前:かくまでも黒くかなしき色やあるわが歌女ウタヒメの倦みつる瞳(北原白秋)」
「後:かくまでも黒くかなしき色やあるわが思ふひとの春のまなざし(北原白秋)」
「前:廃れたる園に踏み入る哀愁カナシミはなほしめやかに優しけれども(北原白秋)」
「後:廃れたる園に踏み入りたんぽぽの白きを踏めば春たけにける(北原白秋)」
「前:クリスチナ・ロセチがごともいと親し秋のはじめの母の横顔(北原白秋)」
「後:クリスチナ・ロセチが頭巾かぶせまし秋のはじめの母の横顔(北原白秋)」
「宮柊二白秋の弟子で彼もまたやはりかなりの推敲魔とぞ()」
「前:闇にゐて目透かす眼には黒ぐろと川の面にたつうねり波見ゆ(宮柊二)」
「後:雪の上ゆ目透かす眼には夜の川のおもてふくるるうねり波見ゆ(宮柊二)」
「前:消ぬべくしわれは思ほゆまなかひに百済ぼとけのぞ立ちたまひけれ(宮柊二)」
「後1:澡瓶ツボ提げてたたすほとけの胸肌の匂はしき線は下肢にながれつ(宮柊二)」
「後2:澡瓶ツボ提げてたたすほとけの胸肌の二つ隆起よわれは消ぬべう(宮柊二)」
「前:明け方の高速道路の高架下に『春の小川』のハモニカ聞こゆ(投稿A)」
「後:明け方の高速道路の高架下に『月の砂漠』のオカリナ聞こゆ(投稿A)」
「前:買い物の予定いっぱい書き込んでそのメモ忘れ買い物に出る(投稿B)」
「後:買い物のメモを忘れてスーパーをさまよいおれば茗荷持ちおり(投稿B)」
「前:砂浜に立ちて見てゐる八月の海、帆船の一つ遠ざかる(投稿C)」
「後:ひるがほの傍で見てゐる八月の海、帆船の一つ消しゆく(投稿C)」
「前:筋肉の骨格しなふ、軋る、反る声なく見いる内村航平(投稿D)」
「後:筋肉の骨格撓ふ、軋る、反る澄みて下り立つ内村航平(投稿D)」
「推敲は重要なれど自由なり仕上げとともに創作である()」
2014/02/19
「ランボーの訳詩で知れる『大学』は赤門前で生まれたらしい
(堀口大学は東京本郷の東京大学の赤門近くが生家)」
「堀口は己が詩のなか『大学』と言う名に負い目持っていたらし
(『某氏の一生』と言う詩で『赤門の前で生まれて赤門の鬼に責められ云々の』といっている)」
「ソチ五輪清水礼留飛も重き名を背負いて飛べる父の悲願の(スキージャンプ男子団体ラージヒルで銅メダル)」
「礼留飛とは日本にスキー伝えたるレルヒ少佐にちなむといえり(オーストリア・ハンガリー帝国の軍人)」
「レジェンドといわれし葛西礼留飛らと金の価値あるメダルをとれる(葛西:41才,礼留飛:20才)」
「礼留飛とか歩夢・結弦や沙羅ちゃんを持つ誇らしさ春の先魁(ほっこりしたり)」
「以上百三十名の新一年生『ナニお』『ナニこ』と呼ぶ名聞かざりき(神田真人)」
「出でてこい『ナニお』『ナニこ』と名付けらるわれらも決起日本のために()」