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Music Mania

No Music No Life

ベットカバー!!

2021年12月11日 | 邦楽
ベットカバー!!「時間」

ベットカバー!!というアーティストの「時間」というアルバムがみのミュージックで紹介されていたので聴いてみたのだが、これがとても良かった。
最近の売れ筋のJロックとはぜんぜん違っていて、もっと暗く異様で個性的だ。
わりと海外でも評価されてるようで、たしかに洋楽でもこういうのはあまり聴いたことがない。
強いて言えば、昔のピンクフロイドのような不気味さとヘンテコさと美しいメロディを備えたロックで、ときどきヘヴィで激しい。
ちょっとだけ椎名林檎の影響も感じるけど。
このbet over!!、どうやらバンドではなくヤナセジロウという人のソロプロジェクトらしい。

幽霊


人間椅子「苦楽」

人間椅子の新作アルバムが出た。
前作「新青年」もかなりの力作だったけど、今回のも負けていない。
というか、今回のアルバムの方がいいような気がする。
全曲ヘヴィなメタルで、人間椅子独特の世界観によるダークな曲が並ぶ。
そして、この異様な風貌も含めたコンセプトそのものがユーモアなのだ。
PVを見ると、ロックとは程遠いように見えるお爺さんがメチャクチャ凄い演奏していて、そのギャップが面白い。
お爺さんとはいうものの、実は僕と二つしか違わない。
普通ロックミュージシャンって実年齢より若く見えるものだけど、あえて老けて見えるようにしてるのは、このバンドに限りうまくいってると思う。

NINGEN ISU / Toshishun(人間椅子 / 杜子春)Music Video -Official-

つしまみれ

2021年11月21日 | 邦楽
先日ここに書いたキノコホテルだけど、アップルミュージックページの同じタイプのアーティストのところにあったつしまみれというバンドを聴いてみた。
全く知らないアーティストだけど1曲目の不思議な感じに惹かれて、2曲目3曲目と聴きすすんでいくとなかなか面白そうなアルバムだったのでDLした。
どんな人が歌ってるんだろう、きゃりーぱみゅぱみゅみたいな不思議ちゃんかな、と動画を見てみたらぜんぜん違った。
「おらー!このバカども!会いたかったぞー!」とか叫んでて「おまえら20周年祝う気あんのかー!」と喚いて客席にダイブしたりしていて凄く面白い、バリバリのパンクバンドだった。
そう、すでにデビューから20年を超えているベテランだったのだ。
ということは年齢も決して若くはないはずなのに、メチャクチャパワフルなワールドツアーとかやっていて、アメリカやヨーロッパやアジア圏でもコアなファンがいるようである。
「NEW」というこのアルバムは、パンクというよりニューウェイブで、適度なポップ感がいい。
初期(まだパンクバンドだった頃)のゴーバンズや泯比沙子の過激じゃないタイプの曲に通じるものがある。
ギターの音色がディストーションがとても弱く、クランチとクリーンの間くらいで、そのプレイスタイルも含めてなかなか個性的だ。 

と、ここまで書いた時点で、つしまみれの新しいアルバムが出たようである。
「酒まみれ」というアルバムで、全曲アルコールに関した曲ばかりだ。
曲名を並べてみると

1.ビール
2.SHOT YOU(焼酎)
3.ウイスキーちょうだい
4.日本酒
5.ウォッカウォー
6.オレ!テキーラ
7.わたしワイン
8.乾杯まみれ
9.日本全国酒飲み温度

全力でふざけていて大変よろしい。
インディーバンドだからこそ出来るメチャクチャ感が突き抜けてて、極めて少数の人に熱烈に支持される内容だ。
また、「日本酒」の和風なメロディ、「ウォッカウォー」のロシア民謡みたいなメロディ、「オレ!テキーラ」はメキシコ風といった酒の産地に因んだアレンジもいい。
最後の「日本全国酒飲み音頭」はバラクーダのカバー。

SHOT YOU / つしまみれ TsuShiMaMiRe


つしまみれ - 脳みそショートケーキ [Live at Yoshi's in San Francisco 8.16.2009]

秋 ~爽籟~

2021年11月07日 | 邦楽
坂上太一「秋 ~爽籟~」

インディーズ系の弾き語りアーティストと対バンすることが多い。
ほとんどの方は、ライブでじっくり聴くととても素晴らしく、曲といい詩といい歌唱力といいギターの腕といい、やはりソロで勝負してくるアーティストさんは違うな、と思う。
ただ現実は厳しく、とくにここのところはライブもままならないので、相当厳しい状況であることが容易に想像出来る。
それに、いい歌をやっていても、プラスアルファの要素がないとなかなか集客もCD売り上げも伸びない。
みんないい歌歌ってるし、みんな上手いのは当たり前になってしまってるから。
そんななか、頭一つ抜きん出てるのが今回紹介する坂上太一だ。
2年前に四日市EASTで対バンしたとき聴かせてもらったけど、かなり衝撃を受けた。
この人はメジャーになる素質があるし、ソングライティングもレベル高いし、そしてなによりオリジナリティがある。
ということで、今年の最新作を聴いた。
はっきり言ってしまうと、ライブの素晴らしさの半分も出ていないように思う。
ライブでやってた曲もはいってるけど、これじゃ、普通のJ-POPだ。
いや、ごめんなさい。僕がそんな偉そうなことは言えないんだけど、僕はこの人本当にすごい人だと思うから、もっと魅力を発揮してほしいのだ。
ライブはホントに素晴らしいから、興味のある人はぜひ見に行ってほしい。
うちのなっちゃんもすっかりファンになりました。

不真面目主義/坂上太一TRIO @CLUB QUATTRO〜sold out単独公演より〜



ガソリン「ファック イェー!」

四日市のガレージシーンを牽引する老舗バンドであるガソリンである。
残念ながらライブは見たことがないんだけど、「四日市の狂牛」としてケイオスで暴れてるらしい。
マニアの間では全国的に有名なバンドらしいので早速アルバムを聴いてみた。
メロディがとてもキャッチーで、わりといろいろなタイプの曲が入ってるおかげで、この手のバンドにありがちな「全部同じに聴こえる」ということもない。
僕は無知なので、ガレージ系とパンクの違いがよくわからないし、もしかするとその違いって歌詞にメッセージ性があるかどうかの違いだけなのかもしれないけど、ガソリンの曲はとても気に入った。
ちょっとユーモアが入ってるのもいい。
全部で12曲入って、たった25分という短さも潔くていい。

GASOLINE New album "FUCK YEAH!" 販売促進映像



キノコホテル『マリアンヌの密会」

キノコホテルは僕がデビュー当時から注目してるバンドで、四日市ケイオスにも何度か出演されてる昭和風ロックのグループである。
コスプレ衣装に昭和風ロックでドSキャラのボーカルという、若干僕らとコンセプトが重なる(もちろんキノコホテルが先)こともあり、親近感を感じる。
前作がディスコ調だったり歌謡風だったりとバラエティ豊かで、少し変わり種っぽいアルバムだったけど、今回はまた元の路線であるレトロ感あふれるロックサウンドに戻っている。
このバンドが表現する昭和っぽい世界観というのは、昭和30年代から40年代くらいの大衆アクション映画で、銀座、ネオン街、キャバレー、ギャング、ピストル、夜の港といったワードがインスピレーションされる。
今回のアルバムは、そこへ椎名林檎のような毒々しさが加わったように思う。
キャッチーな歌メロは今回も健在で、捨て曲なしの傑作アルバムだ。

愛してあげない/キノコホテル



クレイジーケンバンド「好きなんだよ」

クレイジーケンバンドの最新作は邦楽カバーアルバムだ。
元々昭和っぽいロックをやるちょい悪オヤジバンドなので、こういうのはお手の物だろう。
よく出来たパズルのピースをはめ込むように、収まるべきところに収まってる感がある。
かなり多岐に渡る選曲だけど、演歌、シティポップ、AORなど、大人の味わいを忘れていないのがいい。
どちらかというと、原曲のコピーというか、元の曲へのリスペクトが感じられるようなカバーになっていて、おそらく同世代の人が聴いて納得出来るものだと思う。
全曲知ってる曲ではないけれど、どの曲もとてもいい。

クレイジーケンバンド 2021年9月8日(水)発売 初カヴァー・アルバム『好きなんだよ』ティーザー

ギターパンダ

2021年10月09日 | 邦楽
ギターパンダ「ギターパンダのロックンロールパンデミック」

ここでギターパンダを紹介するのは2回目だ。
今回は昨年発売された新作で、ロックンロールパンデミックという今のご時世を反映したタイトルがつけられた。
現在、ギターパンダのようにライブハウスツアーをしてる規模のアーティストってかなり厳しい状況である。
本業だけで食っていける人は誰もが知ってる有名人だけで、多くはバイトで食い繋いでるのが現状だと思う。
さて新作だけど、軽いロックンロールが中心で歌詞は心に訴えてくる。
1曲目の「選挙に行ったけど」は、こんな世の中を変えるには選挙にいこう、だけど選挙に行ったらなにか変わるのか?でも選挙にいくしかないよ、という歌。

ギターパンダ「選挙に行ったけど」


ザ・たこさん「タコの肖像」

今年の初めくらいに初めてザ・たこさんを聴いて、ファンキーなリズムとふざけた歌詞がとても気に入った。
ということで、今年発表された新作を聴いてみたのだった。
結論からいうと、前作ほどいいとは思えなかった。
相変わらずの大阪ファンクで心地いいリズムがあるんだけど、楽曲が弱いように思う。
このなかでは「純喫茶レイコ」という曲がお気に入りだ。

ザ・たこさん-純喫茶レイコ-@LIVE HOUSE108 2009.11.24 3/5


クレイジーケンバンド「パシフィック」

クレイジーケンバンドによる2019年発売のアルバムで、一つ前の作品にあたる。
今の新作がとても良かったので遡ってみたのだが、これもまた勝るとも劣らない良作だ。
今回のは中国(というより中華街)をイメージした曲が多く、中年男性のノスタルジックな恋が描かれる。
彼らの曲を聴くと、ファッション誌「LEON」に出てくるような「何の仕事をしてるかわからない(あるいはしてないかもしれない)けど金持ってそうな中年男性が、若い女とリゾート地で戯れる」みたいなイタリアンな世界観がある。
アニメ「ルパン三世」にも通じる、軽い男の美学がつらぬかれている。
こういう雰囲気というか味わいはなかなか一朝一夕では出せないと思う。

クレイジーケンバンド - 2019年8月7日発売 ニューアルバム「PACIFIC」全曲紹介ティザー



高中正義「スーパー・スタジオ・ライブ!」

高中正義のスタジオライブである。
内容は1979年に発表したされた武道館ライブ「スーパー高中ライブ!」を再現したもので、セトリもアレンジも当時の様子を再現している。
聴いた第一印象は、なんといっても音質がいいことである。
いわゆるリマスターではなく現代の技術で一から録音し直してるのでいいのは当たり前だけど、聴き慣れた曲が今の音質クオリティで聴けるのはありがたい。
アレンジは少し変更されてるものの、基本的には1979年の武道館であるので気楽に聴ける。
スタジオ作を録音し直す人は多いけど、ライブをライブで再現するのは珍しいし、これはこれで面白い企画だと思う。

Bu-Blue Lagoon "Super Studio Live" Masayoshi Takanaka 高中正義


聖飢魔II「ジ・エンド・オブ・ザ・センチュリー」

もう35年も前になるが、僕はこのアルバムを録音したカセットテープをよく聴いていた。
しかし、まだ聴き込まないうちになくしてしまい、以来35年間も聴いてなかったのだ。
超久しぶりに聴いたこのアルバムは、やはりとてもいい。
で、一つ勘違いしていたこと。
僕はずっとこのアルバムが、あの「悪魔が来たりてヘビメタる」だと勘違いしていたのだ。
こちらはセカンドアルバムで、ヒット曲の「蝋人形の館」が収録されている。
全曲、曲が始まる前にデーモン閣下のナレーションがあり、雰囲気を盛り上げる。
どの曲もいいが、ブラックサバスっぽい「怪奇植物」なんてこのバンドのキャラと彼らのバックグラウンドがよく出ていていいとおもう。

聖飢魔Ⅱ 怪奇植物

波物語

2021年09月12日 | 邦楽
波物語という音楽フェスが話題になっている。
さて波物語とはどういうフェスだったのか、今回はこれについて考えてみる。


波物語フェスとは、2005年から行っている国内最大級のヒップホップフェスである。
今世界で最も売れ最も需要のある音楽ジャンルはヒップホップであることを考えると、日本において最先端の音楽フェスであることは間違いない。
今年の出演アーティストは以下の通り。

AKLO
ANACHY
Awich
AK-69
BAD HOP
CREAM
CIMBA
DJ RYOW
DJ CHARI & DJ TATSUKI
Elle Teresa
FAKY
GADORO
Hideyoshi
Jin Dogg
JP THE WAVY
KOWICHI
K.O.
LEX
LiiKING
LibeRty Doggs
Leon Fanourakis
MC TYSON
Only U
Pretty Danners
Playsson
Red Eye
RØØ
SOCKS
Shurkn Pap
SANTAWORLD
VIEWVILLSHANA
week dudus
WILYWNKA
Young Coco
Zeebra
2Marley
4-chez
ジャパニーズマゲニース
般若
¥wllow Bucks
舐達麻


この中で僕が知ってるのはZeebraだけだ。
それも名前を知ってるだけで、曲は聴いたことがない。
それ以外は初めて見る名前ばかりで、全くもって無知である。
知らないなら聴こう。
聴かなければなにも始まらない。


まずはZeebra。
ベストアルバム「The Anthology』を聴いてみる。
いわゆるラップである。
海外のラップと違って日本語なのでだいぶ聴きやすい。
この中では「Big Big Money」という曲がよかった。
適度にポップでダンサンブルでいいと思う。

Zeebra / BIG BIG MONEY feat. HIRO【Official Music Video】


次に、出演アーティストのなかから特に有名とされる人は誰なのかを調べていくつか聴いてみよう。

AK−69 ベストアルバム「The Anthem」
これを聴いたところ、Zeebraよりも聴きやすく、こっちのほうが好みの曲が多い。
現代のアメリカンヒップホップに通じるサウンドだと思う。
ここからの1曲は「Divine Wind -KAMIKAZE-」。

AK-69 - 「Divine Wind -KAMIKAZE-」(Official Video)


般若、ベストアルバム「The Best Album」
とてもやんちゃな人なんだろうな、という印象。
音楽以前にこの雰囲気に拒絶反応が出てしまう。
ヒップホップアーティストの悪い印象そのものだ。
でも音楽そのものは悪くない。
ここからの1曲は「タイムトライアル」。

般若/タイムトライアル


けっこう疲れてきたので、この辺にしておこう。

聴く前に想像していたのはもっとダサいイメージで、よく日本語ラップはクソみたいなことを言う人がいるけど、アメリカのヒットチャートに上がってくるようなのと比べたらレベル低いのかな、と思っていた。
ところがどっこい、かなりイケてるんじゃないかな。
やはり、ラップというのは何を歌ってるのかわからないと面白くない。
日本語ラップは日本語である強みがあり、日本人が聴くならこっちの方がいい。
それにサウンド面でみても負けていない。
僕は昨年、半年くらいアメリカのトップテンヒットを聴き続けてみたけど、日本のヒップホップは世界の水準に達してると思う。
今日本のヒットチャートにあるようなポップスやロックより、ぜんぜん世界レベルに近いと思った。