風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

天国のSと乾杯

2008-10-05 | 日常
 
 来年3月で卒業50周年になるという小学校の同窓会があった。2年3ヶ月ぶりに先生2人と生徒20人が集まった。

 終戦前後生まれの我々は子供数が少なく、1クラスしかなかった。そのせいか、まとまりやすく同窓会も途切れることもなくやられてきた。

 会場に着き、先生に「お元気ですか」と挨拶してから、みんなに「お久しぶりです」と声をかけた。
 16、7人はいつものメンバーだったが、ここ数十年、一度も顔を見せなかったHさんとKさんなど、久しぶりの顔もあった。

 宴会の前に、前回から2年余りの間に亡くなったTとSの冥福を祈って黙祷をした。これまで先生2人、生徒6人がすでに亡くなっている。

 Sの死を知ったのは今年の春だった。Sは第一回目の同窓会(18歳くらいの時)に来ただけで、その後一度も顔を見せることがなかった。聞くところによると、Sのその後の人生にいろいろな出来事があったようだ。

 Sとはよく家に遊びに行ったり来たりした仲だった。
 あいつが俺の家に来たときは川や池でいっしょに泳いだり、魚獲りを教えてやった。あいつの家に行った時は裏手がすぐに山だったので、クワガタやカブト虫捕りに連れて行ってもらった。あいつのお母さんにも良くしてもらった。

 ぜひ同窓会には顔を見せてほしい、同窓会に来れなくても、もう一度会いたいと思っていたが、それも果たせないままSは天国に行ってしまった。

 あの頃の思い出を語っていると、今にも“よーッ○○”と片手を挙げてこの場に現れるような気がする。

 Sよ、今日は久しぶりに酒を酌み交わしてふざけ合おう。50数年前のガキの頃の二人のように。