風・感じるままに

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党派を、宗派を超えて

2014-06-14 | 社会
安倍首相と自民党は集団的自衛権の行使容認の閣議決定に向けて暴走を加速させ、情勢は急を告げています。
国民多数の批判や不安に耳をかさず、国会でのまともな議論もなしに、与党だけの密室協議をつうじて、一内閣の判断で強行するなど、憲法破壊のクーデターとよぶべき暴挙に各界から抗議と怒りの声が上がっています。

中でも注目される一つに、真宗大谷派(東本願寺)が、6月10日、宗派の最高議決機関の宗議会(僧侶議員で構成)において、「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」が全会一致で可決したことです。
以下、「決議」を真宗大谷派のホームページより紹介します。

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集団的自衛権の行使容認に反対する決議

 今、日本政府は、憲法を「改正」せずとも、その解釈を変更することで、これまで禁じられてきた集団的自衛権の行使を可能にする動きを加速させております。集団的自衛権の行使が容認されれば、日本人が国外で人命を奪い、奪われるという事態が現実となりかねません。このことは、戦後、日本が堅持してきた戦争放棄の国是を捨て去ることです。

 私たち真宗大谷派宗議会は、この度の集団的自衛権の行使容認への動きに対して、深い悲しみと大きな危惧を覚え、強く反対の意思を表明するものであります。

 戦後50年にあたる1995年、私たちは、過去において、仏法の名を借り戦争に協力してきた自らを問い直し、「人間のいのちを軽んじ、他を抹殺して愧じることのない、すべての戦闘行為を否定し、さらに賜った信心の智慧をもって、宗門が犯した罪責を検証し、これらの惨事を未然に防止する努力を惜しまない」という「不戦の誓い」を表明いたしました。

 私たち念仏者は、地獄・餓鬼・畜生という三悪道に他ならない現実に立ちながら、浄土を願うものです。その私たちに対して、「仏の遊履したまうところ(中略)、国豊かに民安し、兵戈用いることなし」と不殺生を呼びかける教えの言葉は、三悪道たる現実に対する悲痛な叫びであるとともに、非戦への深い願いであります。その願いに応えることは、「人のいのちを奪う戦争を絶対に許さない」と言い切るところからしか始まりません。

 親鸞聖人は、念仏を誹謗する人々に対して、「念仏せんひとびとは、かのさまたげをなさんひとをば、あわれみをなし、不便におもうて、念仏をもねんごろにもうして、さまたげなさんを、たすけさせたまうべし」と述べられております。さまざまな意見、立場の人たちと丁寧に対話していくことをいとわず、私たちは「不戦の誓い」の具現化に努めてまいります。

2014年6月10日
                                  真宗大谷派宗議会