夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

金木犀が香(かお)る中、過ぎ去る9月に愛惜を重ねながら、別れを告げて・・。

2014-09-30 15:02:34 | ささやかな古稀からの思い
私は東京郊外の調布市の片隅に住む70歳の身であるが、
今朝ぼんやりとカレンダーを見ると、9月の月末と知り、
9月も終わってしまったか、と微苦笑しながら教示されたりした・・。

私は東京郊外の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅みに住み、
私の生家に近く、この地域に住んで早や65年となる。

そして私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭に築後36年を迎えた古ぼけた一軒屋に住み、
お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。
          


平素の買物専任者の私は、秋日和に恵まれた青空の中、いつものように午前中のひととき、
独りでスーパーで買物の責務を終えた後、その後も独りで自宅の周辺を散策した・・。

こうした中で、過ぎし一週間前の頃から香(かぐわ)しい芳香が漂(ただよ)い、
金木犀(キンモクセイ)が咲き始める時節だ、と私は微笑んだりしてきた。

我が家の小庭にも庭の片隅に一本、そして居間に隣接した和室の近くに一本あり、
私がテラスに降り立つと、かぐわしい芳香が漂(ただよ)ってきたので、
近寄るとたわわな莟(つぼみ)を眺めたりして、ここ3日の恵まれな秋日和で、
今は満開となっている。
          

私はこの金木犀(キンモクセイ)の香りは、秋の到来を告げてくれる花木であり、
好きな花のひとつである。

今は満開のたわわな橙黄色の小花となり、周辺にかぐわしい芳香が漂(ただよ)わせている。
          

やがて一週間が過ぎた頃、ときおり風がなくても小花が音もなく散り始めて、
黒土に落下する時に、かすかな音をたてる。

そして樹元の周囲は黒土の上で、こぼれた橙黄色の小花が彩(いろど)る。

こうした中で、やがて金木犀の枝に橙黄色の小花が残っているが、大半は地上の黒土に絨毯のように敷き占め、
沈香の香りを残す情景となる。

このような情景を私は眺めたりすると、この世の確かな美はこのようなものかしら、
と私は眺めて毎年過ごしている。
          


私は民間会社の中小業に35年近く奮戦して2004年(平成16年)の秋に定年退職し、
多々の理由で年金生活をした。

そしてこれまで人生は、何かと卑屈と劣等感にさいなまれながら、つたない言動も多く、
ときおり敗残者のように感じることも多く、悪戦苦闘の多かった歩みだったので、
せめて残された人生は、ささやかに過ごしたいと思ったりした。

こうした中、世の中の数多く60代の諸兄諸姉は、人生の苦楽を重ねた後、
何かと安堵しながら、身も心も溌剌と過ごせる人生の黄金時代と称せられるゴールデン・イヤーズを過ごし、
私も知人、友人から何かと嬉しい、楽しげな便りを数多く受けたりしてきた・・。

そして私も、つたない半生であったが、60代の年金生活の10年間の日々は、
私の人生の中で、何より安楽な時代、と家内に幾たびか言ったりしながら、享受してきた・・。
          

過ぎし日の27日に、私は何とか古希(こき)と称される満70歳を迎えることが出来、
5歳齢下の家内も、お互いに大病に遭遇せずに過ごせてきたので、
天上の神々に私は感謝した。

そして人生のひとつの階段を昇れた、と微苦笑したりしたりした・・。


やがて70代となれば、体力の衰えを実感して、75歳まではこれまでどおりの自立した生活ができるが、
80歳が見えてくる頃には介護を必要とするようになり、
やがて80代後半では何らかの介護付き施設に入居する可能性が高くなる、と専門家の人から数多く発言されている。

このように学んできた私は、これからの70代の日々の年金生活は、どのように過ごせるか、
と思案したりしてきた・・。
          


やがて体力の衰え実感させられる日々の中、
それぞれの人が 『生きがい』、『気力』あるいは『意欲』があれば、
晩年期は、その人なりに充実した人生になる、と思いを深めたりした。

そして拙(つたな)い半生を歩み、60代は何かと高揚感を深めて過ごせてきた私でも、
『生きがい』、『気力』あるいは『意欲』があれば、
これまでの10年のような生活が過ごせるょ、と私は家内に言ったりした。

そして私たち夫婦は、それぞれ多少はノロマになっても、
現役サラリーマン時代のように時間に追われることなく、ゆっくりと日々を過ごし、
認知症にも遭遇せずに過ごせれば、これ以上の望みはない、と私は深く願ったりしている。


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