四川料理「蜀彩」(ショクサイ) 再訪。
席を予約のうえ、魔神さん達一行とディナー利用。
入店すると、まだ時間帯は早いというのに、店内は大盛況。
次から次にお客様が来店してくる状況下、「予約席」という“守り札”で死守している
4人掛けのテーブル席が奇跡的に見えた。
名前を告げ、着席すると“守り札”はさげられる。
いやあ、凄い人気だ。
滞在中には、何度となく扉が開き、タイミングが合わず、来店されてくるお客様を断る場面を多く見た。
昼も混んでいたが、夜はそれに輪をかけて凄まじい。
「トントントントン!、トントントントン!」
いっとき、リズミカルな音が聞こえた。
利用は前回と同じく、壁際の片側ベンチソファのテーブル席。
この日の夜は3名厨房に入っているようで、壁の向こうは切場。包丁の音だ。
こっちも大忙しなのだろう。
料理は、アラカルト注文。
メニューを見ると、四川の特色ある料理も提供されている。
卓上周り等は昼とほぼ変わらずなので省略。取り皿は料理毎にいただける。
醤味夢ト(大根の醤油漬け)@500
大根、人参、キュウリ、セロリ。
唐辛子と山椒の効いた、あっさりとして爽やかな辛さの自家製漬物。
パリパリ、ポリポリ、箸が進むことは請け合いだ。
(ノブロー) うんめえ!オラ好みの味だ。いくらでも食えそうだで。
椒麻猪舌(豚タン薄切り 山椒ソース)@600
下には、豆もやし。丁寧に下処理をした豚タンは、臭みとは無縁で柔らかい。
山椒ソースととも口に運ぶ。前回の雲白肉もだが、品の良い味わいに至極感心する。
樟茶鴨仔(四川名菜 鴨の紅茶漬け燻製香り揚げ)@1,900
紅茶液に様々なスパイス等を加え漬け込んだ鴨を、樟(クスノキ)のチップで燻し、
蒸してから油をかけ、皮目をぱりっと揚げたもの。たいへん手間のかかる料理であり、
あまり耳にしないかもしれませんが、俗称「四川ダック」と呼ばれ、美食家としても名高い
西太后の好物でもあったとか。
4人で分け合うが、大きさ的には2名でいただくのに適したボリューム。
スモーク香が食欲を刺激し、茶葉の香りのする鴨肉は味が濃厚で、噛みしめるほどに
じわじわと旨味が溢れ出る。
濃い色味のものは、甜麺醤をベースとしたたれだと思うが、私の苦手な甘ったるさがない。
使用は好みだが、自分は何もつけず、このままで。鴨肉の醍醐味を楽しもう
この味で1,900円とは喜ばしい限り。
紅油水餃子(四川風水餃子)4個 @800 辛
ランチでいただいて美味しかったので、リクエスト。
あれ?タレの刻み生姜がお留守だ(涙)。もっちり、ころんと手作り感を堪能。
豆鼓鶏丁(鶏肉と野菜のトウチ炒め)@1,400
野菜は、オクラ、山芋、ネギ。鶏肉は食べやすいようにひと口サイズの大きさ。
豆鼓は、柔らかな甘みの中にほろ苦さがあって、塩辛さはなく、
ひと手間かけたプロの仕事が施されている。
醤油味でまとめ、全体としては、まるみのある味わいだ。
(ノンノン) うちのパパ、辛さセンサーが敏感なのよ。あまり辛いもので無茶させないでね。
(ノブロー) わかっただ。むーみんパパ、リクエストの豆鼓炒め、こいならOKだな。
啤酒鴨(鴨の四川風ビール煮込み)@1,900 辛
ぶつ切りにした鴨を山椒、唐辛子、豆板醤で炒め、ビールを注ぎ炒めたもの。
他には、セロリ、キクラゲ、香菜。
鴨肉はビールで煮込むことによって柔らかく、コクがあり、ビリっとスパイシー。
日本人シェフのタッチで、味の仕上がり感がきめ細かい。
剁椒魚頭(真鯛のあたま 塩漬け唐辛子のせ蒸し)@1,500 辛辛辛
剁椒魚頭は「湖南料理」の名物。
真っ赤な唐辛子がどっかり乗るものかと思ったら、グリーン。
聞くと、自家製高菜。手加減してくれているのかな。
(ノブロー) 皿に溜まったスープがもったいねえ。麺でも絡ませてえな。
(ノンノン) パパこれ、ギブアップだわ(汗)。
醗酵系の酸味と唐辛子の辛味が、淡白な白身にマッチする。
本場のものを食べていないのでコメントは難しいが、個人的にはもっと辛さを追求したくなった。
辛印3ですが、耐性のある方なら余裕かと思う。
麻婆豆腐(とうふと挽き肉の豆板醤煮込み)@1,300 辛辛
昼と大差ないビジュアル。特に辛さのリクエストはしていない。
辛さ控え目、マイルドな旨味系の麻婆豆腐なので、あとは食べ手の好み次第。
老成都担々麺(成都式 汁なしタンタン麺)@1,000 辛辛
青菜、肉そぼろ、ピーナッツ、刻みネギ。
麺は平べったく、柔らかい。口にすると、もったりとして、私にはやや甘い。
杏仁豆腐(特製杏仁豆腐)@450
各人の味見用にスプーンも用意してくれる。
常時満席で忙しい中でも、スタッフさんはできる限りの配慮を忘れない。
プーアル茶風味の中華風蒸しカステラ@400
私、チョイス。パサパサで正直、当てが外れた。こんなときもあるさ。
手作りふわふわ桃まんじゅう(こしあん)1個 @400
頼湯元(成都風白玉団子)2個 @400
酒は、紹興老酒8年クリアー@3,500のほかに、ビールを各自数杯。
上記注文で、お会計は1人当たり6,000円(千円未満四捨五入)。
やはり、中国料理アラカルトの場合は、人数がいたほうが財布に優しい。
後の予定があるため、この日の滞在時間は約3時間で切り上げた。
美味しい料理を食べ、酒を飲み、食後にデザートをいただき、1時間あたりで考えると2,000円。
CPの高さは目を瞠るものがある。客足が途絶えないのも納得。
力押しをしない、ふくよかな味わいの四川料理だが、
それでいて、本場っぽいメニューも提供してくれるから、興趣が尽きないのである。
蜀彩(ショクサイ)
東京都世田谷区経堂1-12-10 松原ビル2F
TEL 03-3425-1668
営業時間/11:30~15:00(L.O.14:45)17:30~22:30(L.O.21:30)
定休日 月曜・年末年始 -店舗情報「食べログ」より-
※中国料理満足度は、4.5~5.0