台湾家庭料理「茶思味」(ジャスミン)
場所は、JR川崎駅を背に川崎市役所通りを進行し、川崎市役所を左手に見て、
稲毛通りの次の道を左折した道沿い左側。小豆色のアジアンカフェ風の外観がそれだ。
通りにスタンド看板がでているので、確認してみる。
肉糟飯、牛肉麺……。台湾庶民食がいただけそうだ。
先日は魯肉飯のつもりが、カレーになっちゃったからな。
よおし、少し時間は早いが入ってみよう。
店内に入ると、カフェからは遠ざかった。気安い中華居酒屋風。
店のママさんが声をかけてくれ、カウンター席に着いたが、
視線を移すと奥には、テーブル席(ベンチソファ含む)の用意もある。
卓上のカトラリーバスケットに、プラスチック箸、スプーン2種、業務用タオルおしぼり。隣にはコップ。
着座後にママさんがピッチャーをトンと脇に置いてくれたので、自分で注ぎ込む。
カウンターの端には、この日のランチメニューが4種類。
①木須肉炒め、②エビチリ炒め、③餃子(焼or蒸)、④飲茶set(5種点心とおかゆ)
尋ねると、ランチはこの中から選ぶらしい。
またも予定が狂った。最近、台湾料理にフラれっぱなしだ。
にこにこと愛想の良いママさんが、説明をしてくれる。
「木須肉炒めは、肉とキクラゲ、玉子を炒めたものね。」
――それ、キクラゲばっかり多かったら悲惨だよね。私の心の声だ。
ひと通り話を聞き、迷ったあげくに蒸し餃子でお願いした。自分の選択を信じよう。
「冷房いれましょうか?」ママさんの提案だ。
「え。はい、他のお客様まだのようですが、いいんですか?」
――以前、このようなやり取りを、他店でしたよなあ(汗)。
聞くと、ランチのお客様は市役所の方々が多い様子で、12時に午前の仕事が終わり、
当店に着くのは12時5分。客が入るのはそこからだと言う。
蒸し餃子セット@850
角盆に同席するセットメンバーは、主菜(蒸し餃子)、白飯、野菜サラダ、スープ、ザーサイ、杏仁豆腐。
餃子用に小皿を従えている。
調味料は黒酢、醤油、ラー油。爪楊枝を連れ立ち、ランチ参戦。
さて、餃子はその1個がスレンダーなボディ。手作りということだが、コンディションが悪すぎ。
皮のひだの先が白く、パリパリ状態だ。残念ながら、対面時にランチ熱が冷めた。
か弱い皮を噛み切る。
肉餡に手作り感はあるが、ジューシーさも食べ応えもなく、白飯を食べるにあたり役不足。
おかず食いの自分は、窮地に追い込まれている。
ボリューム感のあるピーナッツ入りのサラダを胃袋に片付け、小皿に醤油を注ぐ。
そこへ蒸し餃子をドバドバつけて飯を搔き込む。しょっぱいぐらいが、飯が進むからだ。
この動作の繰り返しで、合間にキャベツ、大根、ニンジン、干し海老の入ったスープを呑む。
微量のザーサイは、この場面では、白飯の最良の友。大事に食べなくてはならない。
幸いにして、ご飯は美味しかったので、おかず終了までに、この作戦で8割方食べることができた。
後から来店したカウンターの一人客は常連さんのよう。ママさんと会話を交わすと、
迷いなく木須肉炒めを注文した。
運ばれてきたものを横目に見ると、皿にこんもりと盛られた様相は、
玉子もたっぷり、肉もしっかりで、頼もしいおかず戦士だった。
どうやら、自分は外れを引いてしまったようだ。無念。
目の前に残っている杏仁豆腐を口にすると、味が濃くて美味かった。
12時近くになると、ご近所に住んでいると思われる常連さんが次々に来店し、
ポツポツ奥のテーブル席も埋まり始めた。
ママさんの人柄もあって、地元に親しまれている店のようだ。
会計を済ませ、表のスタンド看板を見ると反対側にはランチメニュー。
予約の場合には、コーヒーがサービスされるのだ。
痛恨の選択ミス。主菜が違えば、私の印象も大分変ったことだろう。
また、当店はわかりやすい献立が並ぶ昼よりも、夜の方がそのポテンシャルを
発揮できるのではないかと思う。
茶思味 (ジャスミン)
神奈川県川崎市川崎区宮本町4-1
TEL 044-201-4568
営業時間/月~金 11:30~14:00 17:00~22:00
土 16:00~22:00
定休日 日・祝 -店舗情報「食べログ」より-
※ランチ満足度数は、見送り。