温故知新中国料理 「喜臨軒」(キリンケン) 定期再訪→前回。

当店で、久々のディナー。
お気に入りのカウンター席を予約し、蒸し魚と香り鶏をリクエストのうえ、アラカルトチョイス。
グランドメニューを広げると、夜にコース料理(4種類)が具体的に明記されていた。
主菜をお選びいただけるミニコース 4,500円コース (計6品)
・前菜2種盛り合わせ、点心2種、海鮮または肉料理、野菜料理、麺飯料理、デザート・お茶菓子
前菜からデザートまでのフルコース 5,500円コース (計7品)
・前菜3種盛り合わせ、点心、海鮮料理、肉料理、野菜料理、麺飯料理、デザート・お茶菓子
フカヒレ料理を含む喜臨軒名物を味わえるコース 7,000円コース (計7品)
・前菜3種盛り合わせ、点心、フカヒレ料理、海鮮料理、肉料理、麺飯料理、デザート・お茶菓子
フカヒレ・アワビ料理を含む贅沢なコース 9,000円コース (計7品)
・前菜4種盛り合わせ、点心、フカヒレ料理、アワビ料理、肉料理、麺飯料理、デザート・お茶菓子
メニューは単品料理も定番を除き、だいぶ絞られ、印象が変わったように感じた。
生ビールを2つ注文し、まずは冷前菜と季節の料理の中から2品選んだ。

豚脛・タン・頬肉の煮こごり(小皿)@600
季節の料理で、はじめに決まったのは、豚脛・タン・頬肉の煮こごり。
脇には、大根とニンジンの甘酢漬け。
グリーン状のソースはニンニクが効いて、濃厚なバーニャカウダソースのよう。
八角が香り、肉の質感を味わえる煮こごりは、そのままでも美味だが、お好みでソースをつけて。
(寝太郎) 僕はそのまま派だな。断然、気にいっちゃたよ。
――久々の寝太郎さんだ。彼もまた当店のファンなのである。

烏骨鶏のピータン(皮蛋)@500
当店のディナーでは、必食したい松葉模様の美しい皮蛋。印象は変わらず。

喜臨軒名物 手切り豚肉と天然海老のシューマイ 1個@250×2
たまには、ほかのものをと思ったのですが、生憎おすすめボードの季節の春巻が完売。
勿論、不足はありません。本日も肉々しくって、ジューシー。
さすが、“キングオブシューマイ” 

(ノブロー) 夜にも来てえと、願えば叶うもんだで
刺繍のパンダは、シェフのところの新入りだな。
(刺繍パンダ) ノブロー、よく来てくれたね。歓迎するよ。
首にかけているのは、缸缸好(ガンガンハオ)の英雄の鍵だね。ゲットおめでとう。

清蒸紅石斑魚 時価
清蒸鮮魚浪人の旅は続く。リクエストの蒸し魚だ。
本日の鮮魚は、紅石斑魚(アカハタ)。白髪ネギと香菜、さっと火を通した黄韮も添えて。
鮮度の良さは一目瞭然。心を揺さぶられるほどの美貌だ。
これほどのもの、仕入れていただけただけでも感謝(涙)。

(ノブロー) 赤ハタ、胸びれあげてるな。オラに握手を求めているようだで。
(みに) その胸びれもしゃぶってね!

解体作業は、自分たちの仕事。
口に含むと、シコシコとした弾力。身質の良さに感じ入る。
シェフ、渾身の作に、意見を述べるのも憚られるが、
中骨あたりの身離れと、もう少し皮がとろりんとしてくれると、私としては、なお嬉しい。
これは蒸し時間の関係なのか、素人の私には不明。
なのに、要望ばかり多くて本当に心苦しく思う。
目玉が落ちそうなタイミング、それが私の記憶にある理想の姿蒸しだが
清蒸鮮魚は、そのシンプルさゆえに、最高に難しい調理法。
コントロールは至難の業だと思う。
見目良い赤ハタを解体し尽くし、身を食らい、皮をしごき取り、骨をしゃぶる。
そうして、今宵も蒸し魚は骨のみになった。清蒸鮮魚浪人、満足である

空芯菜の塩味炒め“エシャロットオイル風味”@1,400
シャキッとした歯ざわりを残して、火入れも上々。

脆皮炸香鶏腿@2,200
リクエストの香り鶏。
当店のディナーに初めて寄せてもらった時、料理長スペシャリテ「當紅脆皮炸子香鶏」(香り鶏)を
腿肉で調理し、提供してくれたことがあった。
香り鶏は、お客様からの要望も多いのかもしれない。
腿肉を使って、2名からでも通常に提供出来るようにはならないだろうか?
しかし、シェフには考えるところがあった。
肉がむき出しになると、しっとり感が損なわれる。ここが最大の課題だ。
そこで糸で縛って成形し、露出する部分がないように工夫したのだ。
(寝太郎) 料理に対する愛情だよなあ。情熱だよ。
その話だけで、僕はご飯のお替わりが食べれるよ。

リーペリンソース、レモン汁、香り塩はお好みで。
3度揚げされるが、シェフの愛によって守られた腿肉は
パリパリの皮目にガードされ、内側はしっとりジューシーに仕上がっている。

(レンタロー) シェフ、何やってんのー?オラにも見せれーー。
(刺繍パンダ) 小さいの。今、キミたちの炒飯を作っているんだよ。危ないから降りてね。

鶏肉とスルメイカの“リゾット風”『煮込みチャーハン』@1,600
上にはネギと黄韮。余熱でかえすようにして食す。
具材は、鶏肉とスルメイカの他に、干しシイタケ、枝豆。
イカからの甘みとダシに、干しシイタケのダシも加わり、ダブルな旨味で味はぐっと濃厚。
「福臨門さんでは、干しダコですよね」シェフの言葉だ。アレンジを効かせているのだ。

香芒布丁 配以 楊枝甘露(マンゴープリン『香港で人気のフルーツスープで』)@600
以降、デザートは昼と同じように、ケーキとセットになった小さいサイズになり
これが最後の普通サイズだそう。

スプーンを入れると、充実のむっちり感。フルーツやタピオカがざくざく。
濃厚な甘みの中にフルーツの清々しさがあって、美味い。
このボリュームでいただけるのも終わりかあ。切ないなあ。

酒は、缸缸好(ガンガンハオ)のボトルの他に、プレミアムモルツ樽生を数杯。
お会計は、1人当たり11,000円(千円未満四捨五入)
「ありがとうございます。お気をつけて」
気が付くと、私達がラストの客となってしまった。シェフやスタッフさんに見送られ退店。
カウンターでの人間味あるコミュニケーションが、私にとっては味だけではない
外食の付加価値になっている。
喜臨軒 (キリンケン)
東京都世田谷区池尻3-2-5 コンフィアンス流来 B1F
TEL 03-5787-6982
営業時間/ 11:00~14:00 (L.O)18:00~22:30(L.O)
定休日 日曜
※中国料理満足度数は5.0 (*^・^)ノ特別。 断然応援。