峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

常識を疑う ①

2011年03月10日 | 私塾

2日間行われた公立高校の入試が昨日終わった。
入試が終わったら勉強から解放されたいというのが一般的な思いだろう。ところが、私の塾の受験生の中には、入試が済んでもいつものように塾へやって来て、いつものように勉強して帰る塾生がいる。
昨夜もそんな塾生が2人いた。1人は数学をやりたいと言う。あらためて中1からの各単元を順に行えるようプリントを用意した。もう1人は、受験直前までやっていた理科を続けたいという。早速、用意してあるプリントに取り組んでいた。
また、すでに推薦入試で合格を決めている塾生が難易度の高い数学の問題に取り組んでもいた。

「テスト前なんだから頑張って勉強しなさい。テストが終わったら遊んでいいんだから」
普通、大人はそう言う。だから子供はその通りする。

手元に、ある県の公立高校生の家庭学習時間の統計がある。県の教育委員会が県内の公立高校生5,000人を対象に「生活実態調査」を行ったものだ。その中で、高校生の家庭学習時間が極めて少なかったと報告されている。
それによると、ゼロと答えたのが50%、30分未満と合わせると61%にものぼる。
また、その逆に寝る間を削って6時間も7時間も勉強する子供たちがいる。東大や京大、国公立の医学科など難関大学・学科を目指している子供たちだ。

「ことが終われば楽になる。だから、今は苦しくとも頑張れ」
本当に楽になる日がくるのだろうか。いったい、いつになったら楽になれるのだろう。この思想で、人は本当に心安らぐ日々を得ることができるのだろうか。

ご飯を食べたり、友達と遊んだり、音楽を聴いたり、本を読んだり、漫画を読んだり、時にはどうにもならない片思いに苦しんだりするのと同じように勉強もする。それがつながって人の一生がある。私は、子供たちにそう語ってきた。
夢や目標を持つことはけっこうなことだろうが、そのために日々を犠牲にするのはつまらないと思う。大切なことは、今を充実して楽しく生きることだと考える。

コメント
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