過日、書類等を整理していたら「学習塾生が募金活動」という見出しの古い新聞の切抜きが出てきた。
阪神大震災後、震災について塾生たちと話しているうちに「自分たちも何かできることをやろう」という空気が高まり、塾生10人ほどが町のスーパーで買い物客に募金の協力を呼びかけることとなった。
事前にみんなで募金箱を作ったり、募金を呼びかける看板を作ったりして意気込んで募金活動に臨んだ塾生たちだったが、何せ初めての経験で最初は蚊の鳴くような声でしか買い物客に声をかけられず、買い物客の反応も芳しくなかった。
しかし、少しずつ声が出るようになると、それにつれて買い物客も快く募金に応じてくれるようになり、激励の声をかけてもらうようになる頃には勇気100倍で募金活動を行うことができた。
見ず知らずの人たちの善意に触れることができ、塾生たちは募金活動後も興奮冷めやらぬ面持ちだったが、塾に戻り、募金箱に寄せられた浄財をみんなで数え、それが82,709円もの額に達していることが分かると、歓声と拍手がおこった。それは、それぞれがそれぞれに向けてというより、人間そのものへ向けての称賛のようであった。
あれから17年が経った。彼らは、このたびの東日本大震災をどう受け止め、どう行動しているのだろう。