26日、有紀さんが引越した。
午前10時頃、赤間の有紀さんの部屋に着くと、すでに絵理子さんと天使、それに有紀さんのボーイフレンドが荷造りと掃除に励んでいるところだった。
荷物を、絵理子さん・ボーイフレンド君・私の3台の車に振り分けて積み込んだ。
絵理子さんと天使は、引越しのお祝いにと絵理子さん・研二くんが有紀さんにプレゼントした冷蔵庫と洗濯機と電子レンジが配達されるからと一足先に、箱崎の新居へと向かった。絵理子さん・研二君は、近くに住んでいることもあって有紀さんを物心両面から支えてくれている。
昼前に荷物の積み込みを終えることができ、有紀さんとボーイフレンド君の乗った車を私が先導し、箱崎に向かった。
赤間の部屋は6階だったが、新居も7階だ。エレベーターを使うので高所だからといってそれほど大変なことはないのだが、皮肉にもオートロックが煩わしい。ボーイフレンド君が私にとても気を遣ってくれるのが嬉しかった。
すべての荷物を運び込み終えた時には優に正午を過ぎていた。何はさておき昼飯だ。みんなで、すぐ近くの食堂に飛び込んだ。店は、好みの品を一品、一品、選ぶ仕組みになっていた。空腹も手伝い、どれも美味しそうに見えてあれもこれもと欲張ってとってしまった。
テーブルに着いてみると、ボーイフレンド君がおかずを一皿しかとっていないではないか。先に好きなだけとってよと声をかけていたのだが、遠慮しているのだ。彼に好き嫌いはないかと尋ねるとないと言うので、私のとってきた皿から少しずつ分けてやった。
食べ終えると、私と絵理子さん・天使は絵理子さん宅へ向かった。その夜は絵理子さん・研二くん宅で1泊することにしていた。有紀さんは後で合流する。女房どのは、昼から暇をもらい、高速バスと電車を乗り継ぎ、夕方合流することになっていた。
絵理子さん宅まで彼女の車の後を走ったが、再三の睡魔におそわれた。1人なら、こんなときはすぐに車をとめ、しばらく目を閉じるようにしている。ほんの5分程度でもスッキリする。
夜、有紀さんと女房どのが合流し、研二くんも仕事から帰ってきてみんながそろった。食卓を囲み、絵理子さんの手料理をみんな食べた。天使を中心に夜遅くまで話に花が咲いた。