糸葉さんのもとにひな人形が届いた翌日の3月3日のひな祭りの日、今度は彩理さん・結理さん・悠月さんのもとにひな人形を届けるために響のへと向かった。
午前7時前に佐々を発ち、午前9時過ぎには研二くん・絵理子さん宅に到着。
我が家から分散して車に積み込んできた段ボール箱や紙袋を、研二くんが手際よく2階の子供部屋に運び込んでくれた。
早速、みんなで雛壇を組み立てる。その後に男雛・女雛を始め人形の顔を覆っている紙を1枚1枚丁寧にはがし、手本を見ながら、これはこっちだ。いや、それはそっちだと嬉しい賑やかさだ。
もちろん、彩理さんと結理さんも嬉嬉として手伝ってくれた。
午後、彩理さんが中心となって趣向を凝らした女房どのにサプライズの彼女の誕生日祝いが始まる。女房どの大感激。
誕生日祝に引き続き、彩理さんが司会進行役となり、ひな祭りのお祝い会の始まりだ。
恒例のジェスチャーゲーム他、なぞなぞクイズ、まちがいさがしなど彩理さんが考えたプログラムが盛りだくさん。それが可愛らしく案内ボードに表示されている。
お酒も、シャンパンにビール、焼酎、日本酒、赤ワインと、例によって研二くんが用意してくれていた。
先ず、シャンパンで乾杯した後、ビールを挟み、焼酎「佐藤」をロックで飲み始めてしばらくした頃から後は覚えちゃいない。
最後は、もちろん研二くんと私だけになったようだった。
すっかり酔っ払ってしまった。
だが、ただ一つだけ覚えていたことがある。
研二くんが、それはもう手放しで絵理子さんを褒めちぎったことだ。
娘の夫から、娘をどれほど敬愛してやまないかを聞くなんて思いもよらないことである。
研二くんの献身的なまでの絵理子さんへの愛、それは折々、うかがい知るところではあったが、この夜、改めてその強さ、深さを思い知ることとなった。