峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

親を超える

2018年04月08日 | 子育て日記

火曜日、午後1時半から始まる民生児童委員協議会の定例会に遅れそうになったため、カギを秘密の場所に置かずに持って出ました。
くるみさんが帰って来るまでには何とか間に合うだろうと高を括(くく)っていました。
定例会が終わったのは5時過ぎでした。くるみさんが帰っていなければいいのだがと思いつつ車を走らせました。
玄関の前の木製の長いすに座って、家人の帰りを待っていたのは、くるみさんではなく有紀さんでした。
「ごめん、ごめん、待った?」
「うん、少し。」
「どのくらい待った?」
「う~ん、2時間くらい。」
「えぇ~っ!」
この日から学年末テストだというのが全く頭にありませんでした。学年末テストが行なわれる日は、テストだけで下校になるのです。
この寒空の下、2時間も待たせてしまって済まない気持ちでいっぱいになりました。
「いらいらして待ったやろう?」
「べつに。」
「怒っているやろ?」
「いいや。」
私の想像する答えが少しも返ってこないのです。それどころか微笑みさえ浮かべ、私がいぶかしがるのに対し、自分の答えが当たり前だろうというのです。
この人は、すでに親である私を超えています。
私だったら、2時間も同じ所でじっと待てやしません。当てこすりに姿を隠したりするかもしれません。嫌味の一つは必ず言うでしょう。私などそんな程度の人間です。
脱帽です。女房どのが帰って来てからも、「有紀さんは、すごい! 有紀さんは、すごい!」と興奮が収まりませんでした。
その興奮は、よくぞ親より育ってくれましたという思いからくるものです。少しは親の役割を果たすことができたのでしょうか。いやいや、有紀さんは自分で自身を育てたのです。
だって私には、その欠片(かけら)もないのだから。

             2004211日(水)

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