27日、有紀さんへ橘香館(きっこうかん)から封書がが届きました。 胸を躍らせ開封すると「あなたは向陽橘香館に合格されましたので通知いたします。」とありました。 続けて「あなたは成績が優秀でしたのでスーパー特待になりました。これは入学金と3年間の授業料及び下記の諸経費が免除となります。」と付記されてありました。 夏季に開かれた橘香館の1日体験入学に参加した有紀さんは、橘香館の受験を決めました。 中学校での3者面談に臨む前、有紀さんの意思を確認すると、橘香館以外は受けないというので、それならばということで推薦試験を受けることにしました。 橘香館の推薦試験には「A方式」「B方式」の2種類があります。有紀さんは「A方式」、いわゆる単願(受験の際、1つの学校のみを志願すること)です。 橘香館「推薦試験A方式」の推薦の条件は下記の通りでした。 ① 中学校を平成17年3月に卒業見込みの者 ② 推薦基準を満たす者 ③ 中学校長が推薦する者 ④ 合格した場合は必ず入学する者 選抜方法は「面接試験」だけとなっていました。 有紀さんは私の塾の塾生ですが、学習に関し私がこうしなさい、ああしなさいということは一切ありません。まったく好きに自由にさせています。質問をしてくることもほとんどありません。 普通の学習塾がやるような中間テスト・期末テスト対策もまったくしません。かといって、先取りした学習をさせるようなこともやってきませんでした。 有紀さんいわく「普通に」やりたいことをやっているだけです。だからでしょう。家で勉強するのは楽しいといいます。 橘香館には有り難いことに「特待制度」があります。どうせ橘香館の進学を希望するならば、その特待でいってくれるならば助かるからと、有紀さんにたった1度だけ檄(げき)を飛ばしたことがあります。体験入学の後、彼女が橘香館の受験を決意したときです。 有紀さんは私の言葉を受けて、夏休み山形県・天童市で行われた将棋の全国大会から帰って以降、それまでとは異なる期末テストの得点を意識した取り組みを始めました。 その頑張りが実り、2学期の期末テストでは文句のつけようのない結果を出し、通知表も見事な成績を収めました。 けなげにも私の言うことを聞き入れ、精一杯努力している有紀さんの様子を見てきていただけに合格の、しかも最高の評価をいただいての合格通知書を見て、私は涙がこみ上げてくるのを禁じることができませんでした。 なんと親孝行な子供たちでしょう。 有紀さん、くるみさんだけでなく絵理子さんも高校生時代、奨学生として採用され、入学金と3年間の授業料、それに寮費の一部を学校より奨学金として給付されました。 我が家の子供たちと、有り難い制度を提供していただく学校に感謝せずにおられません。
2005年1月30日(日) No.304
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