昨年放送されたNHKテレビ「プロフェッショナル」の中で、最もアンコールの声が高かったのが火曜日放送分の羽生二冠の「直感は経験で磨く」だったそうだ。将棋ファンの枠を超え、多くの人が羽生さんに惹かれているのがうかがわれる。
ここという局面で若い頃は迷わず指せたのが、年をとってくるといろいろ考えるようになった。それが迷いを生じさせるというような意味のことを羽生さんは述懐しておられた。
羽生さんの話を聞いていて、どこかで同じようなことを聞いたと思った。
生物が持つ体内時計の研究で世界をリードするシステム生物学者の上田泰己【うえだひろき】さんの言葉だ。
上田さんは、宿命の敵は「大人」の自分であると表現していた。
羽生さん35歳、上田さん32歳、若き天才が「常識」的な「大人」になることを戒【いまし】めている。
大人にならなければならないが「大人」になってはいけないのだ。
羽生さんは、経験を積み重ねる中で培った直感や勝負の流れを読む大局観などを生かして勝負することを心がけるという。
一方、上田さんは、新しいことに向かうことで前に進んできたという。
羽生さんは、ここ数年、対局中、いつも「玲瓏(れいろう)」という言葉を思い浮かべるという。玲瓏とは「玉などが透き通り曇りのないさま」と辞書にある。対局中に生じる不安や迷いをなんとか払拭【ふっしょく】したいという思いからなのだろう。
まさに大人の心境ではある。
ここという局面で若い頃は迷わず指せたのが、年をとってくるといろいろ考えるようになった。それが迷いを生じさせるというような意味のことを羽生さんは述懐しておられた。
羽生さんの話を聞いていて、どこかで同じようなことを聞いたと思った。
生物が持つ体内時計の研究で世界をリードするシステム生物学者の上田泰己【うえだひろき】さんの言葉だ。
上田さんは、宿命の敵は「大人」の自分であると表現していた。
羽生さん35歳、上田さん32歳、若き天才が「常識」的な「大人」になることを戒【いまし】めている。
大人にならなければならないが「大人」になってはいけないのだ。
羽生さんは、経験を積み重ねる中で培った直感や勝負の流れを読む大局観などを生かして勝負することを心がけるという。
一方、上田さんは、新しいことに向かうことで前に進んできたという。
羽生さんは、ここ数年、対局中、いつも「玲瓏(れいろう)」という言葉を思い浮かべるという。玲瓏とは「玉などが透き通り曇りのないさま」と辞書にある。対局中に生じる不安や迷いをなんとか払拭【ふっしょく】したいという思いからなのだろう。
まさに大人の心境ではある。