久しぶりに正統派の日本映画を観た気がする。前・後編の2部作だが後編で一気に謎解きが始まって最後まで飽きなかった。誘拐事件をテーマにした黒澤明の「天国と地獄」を思わせるところもあるが、ロクヨンの方は警察内部の覇権争いや記者クラブとの確執など2部構成でなんとか詰め込んで描き切っているが内容が盛りだくさん。昭和64年という特別な年に着目した原作がいいのかもしれない。
それにしても最近自分とテンポの合う映画が少ない。途中でダレて眠気を催すことしばしば。「団地」という映画は予告編を観て喜劇として期待して観たが、なんだか途中から変な方向に行ってしまい少しも笑えなかった。奇想天外な展開なのだろうが、大阪弁で「けったいな」という言葉がぴったりの奇妙な作品でがっかりした。
昔の日本映画のデジタルリマスター版で観る小津安二郎の作品などは特に大事件が起こるわけでもないのだが、独特のテンポの会話と緻密な画面構成がおもしろくて飽きずに観ていられるのだが、最近の映画にはそういうことは期待できない気がする。単に自分が歳をとってノスタルジーに浸っているだけなのかな・・・。
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