派手な特撮映画やアニメ映画などにはあまり興味がなく、人間のドラマを描いた作品が好きなのでそれにぴったりの映画だ。
役所広司がカンヌ映画祭で主演男優賞を取ったということもあり、人気は上々、客席は満席だった。
渋谷区の公衆トイレ掃除をしている主人公の淡々とした日常生活が描かれ大きな変化もなく日々が過ぎていく。それでも後半には少し波風が立つがまたいつもの日常に戻っていく。そんな生活を丹念に描き飽きさせない。
誠実に生きる人の話を観ると、最近規範耳にする政治家の規範意識の低さ、順法精神のなさ、平気でうそもつくといった話にはうんざりしてしまう。あるいはそうでもしないと政治家にはなれないのかと暗澹たる思いがしてくる。
今年は、普通に働き、寝る場所があって食事もできるというあたりまえの生活がいかに難しくありがたいかということを考えさせられる年だった気がする。そんなときに観るといっそう心に染みる作品だった。
それにしても渋谷区の公衆トイレはすごいことになっていて驚くばかり。年末でもあるので少し念入りにトイレの掃除でもするか。
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