◆ストーリ
マンハッタンで音楽業界のやり手パブリシストとして働くオリーは、
最愛の恋人と結婚し、幸福に満ちあふれていた。ところが、妻は
出産と同時にこの世を去ってしまう。悲しみに押しつぶされ、
仕事で大失態を演じたオリーは、故郷ニュージャージーへ戻り、
父の家で暮らすことに。
7年後、娘ガーティは健やかに成長していた。
ある日、心のどこかで仕事復帰を望んでいたオリーにチャンスが
訪れるが、それは家族の関係を大きく揺るがせていく。
◆感想 : ☆☆☆
アルマゲドンで競演したベン・アフレックとリブ・タイラーのコンビ。
けれどもハリウッド的大作よりも、こういう人間味あふれる
設定のほうが断然親しみやすい。
特にリブ・タイラーは一風変わった女子大生を楽しそうに演じていた。
何よりヒロインの女の子の心からの笑顔のかわいらしいこと。
子供の笑顔って元気の源だ。
たとえ自分の子供でなくても。
話自体は何のひねりもなく安心してみることができる映画。
愛する妻を失い、子供のために生きていた男性に
忙しくてもやりがいのある元の仕事に戻れるチャンスがめぐってくる。
自分の好きな仕事を選ぶか。
家族と過ごす時間を選ぶか。
選択を迫られる主人公。
安心して見ることができる、と書いたものの
納得したか、と問われると首を傾げざるをえない。
「好きな仕事」と「家族」。どちらを選ぶのか。
たまたま今回の映画は母親がなくなったため
残った父親が育てることになり、この選択肢に悩むが、
女性はいつだってこの問いかけを突きつけられているのだ。
結局は家族を選ぶ主人公。
本当は二者択一の世界ではないと思うのに。
好きな仕事をしながら子育てができる社会にしていくのが
これからの私たちの使命であってどちらかを選ぶのはナンセンス。
もちろん、人それぞれ幸せの感じ方も色々だ。
社会でばりばり働くよりも
家族のために温かい家庭を用意することや
社会的な成功(富や名誉)ではなく、
自分のペースで楽しく仕事できることを幸せと考える人もいるだろう。
そういった人たちが田舎で楽しくゆっくりと働きながら
それなりの収入を得て、家族との時間を第一に暮らすのは
納得のいく幸せ。
けれども、どちらかを犠牲にして
どちらかを得るのは納得のいかない幸せだ。
そのふたつは本来、天秤にかけられるものではないはず。
けれども、こういうふうに考えてしまうのは
私がまだ自分自身の手で作り上げる家族というものを
持っていないからなのだろうか。
親とは無条件で何よりも家族を優先させる生き物なのだろうか。
個人的にこの映画のキャッチコピーは大好きです。
「すべての女の子の最初の恋人はパパです。」
RAINBOWさん、試写会チケットありがとうございました♪