のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

犬猫

2005年03月23日 12時15分55秒 | 映画鑑賞
◆ストーリ
 東京近郊、静かな街の一軒家。
 中国へ留学するアベチャンの留守宅を預かることになった
 ヨーコ(榎本)。そこへ転がり込んできた幼馴染みのスズ(藤田)。
 あまり仲のよくない二人は、なんとか一緒に住み始めるが、
 ある日、ヨーコがひそかに想いを寄せている三鷹とスズが
 急接近してしまい…。

◆感想 : ☆☆☆☆
なんていうことのない日常生活。
ドラマチックな出来事も事件も起こらない日々。
それでもふたりを見ていると思わずにこにこしてしまう。
そんな映画。

榎本加奈子と藤田陽子がとにかく好演。
「演技してないでしょ?」というぐらい
自然な笑顔や会話が素敵にかわいらしい女の子たちを
作り上げている。また西島秀俊演じるカレが
女性から見て、「いるいる、こういうヤツ」という人。
女心がまったく分かってないくせに優柔不断で
すぐ逃げようとするずるい男。
こんな描写を見ると、スタッフに女性の名前が
多いのも納得してしまう。

映画は、性格がまったく異なる幼馴染ふたりの
共同生活を淡々と追っている。
天真爛漫で男の子とも屈託なくお話できるスズ。
人との付き合い方も感情の表し方も不器用なヨーコ。
二人は常に憎まれ口をたたきあい
「幼馴染だけど、仲が悪い」と言ってはばからない。
それでも「腐れ縁」だけではない暖かいつながりが
常に感じられる。そんな関係がほほえましい。

同時に、なんとなく痛い気持ちになる。
女の子同士の友情にはコンプレックスがつきもの。
お互いのよいところがきちんと見え
羨ましいと感じてしまう気持ちが常にどこかにある。
だから、ちょっとしたことでもつっかかってしまう。

ふたりはコンプレックスを抱え、その感情と向き合って
自分の中で解決しなければいけないことを知っている。
自分で悩みを消化して、またふたりは
お互いの元に戻るのだ。
「私たちって、仲が悪いの。」といいながら。
そして、ひとつの布団で眠り、
ふたりとも好きなレモンティーを飲む。
この映画「女同士の友情は続かない」なんていう輩に
見せてあげたい。