のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

4月の読書

2010年05月04日 22時32分40秒 | 読書歴
45.続・足長おじさん/ジーン・ウェブスター

■ストーリ
 あしながおじさんの続編。前作の主人公ジュディは結婚後、孤児院
 「ジョン・グリア・ホーム」の改革権を夫からプレゼントされ、
 実際の改革を行う院長として大学時代の親友サリー・マクブライドを
 指名する。裕福な家庭で何不自由なく育ったサリーは、とまどい、
 悩みながら、持ち前のユーモアと実行力で、変わり者のマックレイ医師や
 大学の同窓生ベッツィや友人たちとともに、ジョン・グリアを模範的な
 孤児院に変えていく。

■感想 ☆☆☆
 大好きな家庭小説です。大好きな家庭小説ですが、「足長おじさん」
 だけは「手紙形式」が読みにくく、読み返したことがありません。
 また、この作品も今回、初めて手に取りました。
 何気なく手に取ったこの作品。気乗りしないまま、読み始めたにも
 関わらず、今回はとても面白く思え、「足長おじさん」自体を
 読み返したい気持ちにさせられました。仕事をすることで、ヒロイン自身が
 成長し、生きる目的や真実の愛を見出していく。王道のストーリー展開では
 ありますが、王道だからこそ、面白い作品です。
 読んでいると、誰かに手紙を書きたくなります。

46.レ・ミゼラブル(1)/ビクトル・ユゴー

■ストーリ
 1815年のある日、司教館をひとりの男が訪れる。
 男の名はジャン・ヴァルジャン。貧困に耐え切れず、たった1本のパンを
 盗んだ罪で19年も服役していた。行く先々で冷遇された彼を司教は
 暖かく迎え入れるが、ジャン・バルジャンは司教が大切にしていた
 銀の食器を盗んで逃げる。しかし、その事実を知っても彼を許す司教に
 感銘を受け、正直な人間として生きていくことを誓う。
 4年後、すっかり立ち直ったジャン・バルジャンだったが・・。

■感想 ☆☆
 全7巻のうちの1巻です。長い。とにかく長い。
 前段、明らかに主役ではないはずの司教についての場面があまりにも長く、
 何度か挫折しそうになりましたが、ようやく本編に入ってきた感のある
 中盤からは面白く読み進めることができました。
 いろんな困難が待ち受ける中、ジャン・バルジャンがどんな一生を
 送ることになるのか。これからが楽しみです。

47.漂流詩人 金子みすず

■内容
 童謡詩人、金子みすずの生涯を追いながら、彼女の作品を収録した作品集。

■感想 ☆☆☆☆
 大好きな詩人、金子みすずさんの作品が美しい写真と共に数多く
 収められており、読み応えのある作品集となっている。
 また、収録されている作品の多くは、金子みすずさん本人の直筆写真と
 共に収められている。彼女の書く字は教科書になるような美しい字では
 ないけれど、読みやすく、丸く暖かく、見ていて心が落ち着く。
 人柄が字にも現われているように感じた。
 収められている作品の多くは有名な作品で一度目や耳にしたことがある
 ものばかりだったが、だからこそ、心に残る作品が多かったように
 感じる。なかでも好きだったのはこの作品。

     蜂はお花のなかに、
     お花はお庭のなかに、

     お庭は土塀のなかに、
     土塀は町のなかに、

     町は日本のなかに、
     日本は世界のなかに、
     世界は神様のなかに。

     そうして、そうして、神様は、

     小ちゃな蜂のなかに。

48.キネマと猫/金子みすず

■内容
 童謡詩人、金子みすずの作品集。

■感想 ☆☆*
 収録されている作品の多くは初めて目にするものばかりで
 楽しく読み進めることができた。声に出して読むと特に
 「七五調」の文体が奏でる言葉やリズムの美しさを
 実感することができます。

49.ICO~霧の城~/宮部みゆき

■ストーリ
 邪悪な力を持つ霧の城は角の生えた子を生贄として求めていた。
 イコはしきたりに従い、霧の城へ。そこで檻に囚われた少女を
 発見し、助け出すが、その手を握ると何故か彼の頭の中に
 様々な幻像が…。不思議な力を持つ少女・ヨルダは何者なのか?
 囚われた理由とは?運命に抗い、謎が渦巻く城からヨルダとともに
 脱出するため、イコは城主と対決する。

■感想 ☆☆*
 ゲームというものとまったく縁のない私ですが、この作品は友人に
 紹介され、一度プレイ場面を見たことがありました。
 たった一度しか見たことがないにも関わらず、キャラクターと音楽の
 美しさと独特な場面運びと静寂な世界が強く心に残っています。
 だからこそ、ノベル化されたこの作品に終始、違和感を抱きながら
 読み進めました。
 このゲームの面白かったところ、魅力的なところは、
 説明を一切配したあの静寂なストーリ展開だと思うのです。
 小説に挿入されている数々のエピソード、それ自体はとても面白く
 補われた説明によって、多くのことが分かります。
 けれど、なぜか違和感を拭い去れないまま、終わりを迎えてしまいました。

50.パレアナの青春/エレナ・ポーター

■ストーリ
 ベルデングスビルの小さな町を「喜びの遊び」で明るくした少女パレアナ。
 彼女はやがて成長し、美しい青春の日々を迎える。
 いつでも喜ぶということは、決して単なるお人好しというわけではなく
 常に強い意志と努力が必要だということを、ポーターは語りかける。

■感想 ☆☆☆
 明るく無邪気だったパレアナもやがて大人になり、恋を知る。
 天真爛漫だった彼女が恋を知ることで、徐々に『喜びの遊び』だけでは
 色々なことを乗り越えられなくなってしまうところに絵空事ではない
 リアルさを感じました。
 後半はロマンスが話の軸に置かれていますが、納得のいく結末で
 読み終えて幸せな気持ちになりました。
 ハウス名作劇場の再放送を心から願います。
 パレアナは主題歌も好きだったんだけどなー。

51.ぶらんこ乗り/いしいしんじ

■ストーリ
 ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。
 声を失い、でも動物と話ができる作り話の天才。
 もういない、わたしの弟。
 天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた
 小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実が記されていた。

■感想 ☆☆☆☆
 大好きな大好きな作品を久々に読み返しました。
 少しまどろっこしさを覚えるふわふわとした暖かい文体に
 懐かしさを覚えつつ、読み進め、読み進めながら、この文体が
 このストーリー展開が好きだったのだ、と思いました。
 ファンタジーテイストの設定は「ありえない」話が詰まっている。
 けれど「ありえない話」で終わらせることのできない説得力も
 持っている。現実から少し離れた世界をふわふわと漂っていた
 姉弟たちが、向き合いたくない現実と向き合い、こちらがわの、
 つまるところ現実の、世界と向き合う場面で終わるこの作品。
 清潔感あふれる物語の運びがやっぱり好きでした。

神童/2007年日本

2010年05月04日 22時12分01秒 | 映画鑑賞
16.神童/2007年日本

■監督:萩生田宏治
■脚本:向井康介
■主題歌:リプルソング/原田郁子
■出演
 成海璃子、松山ケンイチ、貫地谷しほり、キムラ緑子
 吉田日出子、手塚理美、柄本明

■ストーリ
 幼い頃から「神童」と呼ばれていたピアノの天才少女、うた。
 彼女は指を保護するために球技を禁止され、常に手袋を着用する生活を
 強いられていた。しかし大人の期待の中、「自分は本当にピアノが
 好きなのか」悩むうた。ひょんなことから知り合った音大を目指す
 浪人生ワオにピアノを教えるようになり・・・。

■感想 ☆☆*
 原作は有名な漫画らしいこの作品。とにかく説明が排除されており
 静かに淡々と、ワオとうたの交流を追い続ける。そのため、
 設定(前提)自体がよく分からず、見終わった後、原作を
 読みたくなってしまった。
 ただ、「説明がないからおもしろくない」「話がわからない」わけではなく
 説明がないなりに、話の筋はなんとなく見えるし、なんとなく分かるから
 こそ、原作を読みたいと思わせてくれる。そんな魅力が作品世界のなかに
 ちりばめられている映画だった。

 成海さんの大人びた風貌と演技力のため「神童」という設定が
 まったくうそ臭くなく、同級生の中で浮いてしまっている彼女の
 孤独がよく伝わってきた。また、そんな彼女の天才ぶりが目障りで、
 ついついつっかっかっていってしまうけれど、どこか彼女の魅力から
 目が離せない、彼女が気になって仕方がない同級生の男の子が
 かわいらしく、共感できる存在だった。

 音楽と向き合えずに悩み続けるうた。
 音楽と向き合いたいのに、自分の実力が追いつかないワオ。
 ふたりの相反する悩みと、音楽でつながる彼女たちの恋とも
 友情ともつかないつながりが見ていて切ない。

 「音楽は生きるためにあるんだ。」
 と力強く言うワオと、耳が聞こえなくなりながらも
 「私自身が音楽だから。」と音と向き合おうとするうた。
 彼女たちのこれからは見えない。自分の中にある音楽への愛情に
 気付けたうただが、彼女がこれからもプロとしてやっていける
 保障はどこにもない中、映画は終わりを迎える。

 それでも、彼女たちは音楽を愛し続けるだろうし、
 音楽から離れることはないだろう。清清しくそう思える映画だった。

パコと魔法の絵本/2008年日本

2010年05月04日 21時29分22秒 | 映画鑑賞
15.パコと魔法の絵本/2008年日本

■監督:中島哲也
■キャスト
 役所広司、アヤカ・ウィルソン、妻夫木聡、土屋アンナ、國村隼、上川隆也
 阿部サダヲ、小池栄子、劇団ひとり、山内圭哉、加瀬亮、木村カエラ

■あらすじ
 変人ばかりが集まる病院の嫌われ者、偏屈で「クソジジイ」と呼ばれていた
 大貫は、ある日パコという少女と出会う。パコは事故で両親を失い、
 彼女だけが奇跡的に助かった少女。しかし、彼女は事故の後遺症で
 たった1日しか記憶を保てない記憶障害を持っていた。
 今日起こった出来事は、明日になれば全て忘れてしまう。
 そんなパコと接するうちに大貫は、パコのために、病院の皆に頭を下げ、
 パコの愛読する絵本の演劇をしたいと入院患者たちに協力を求める。

■感想 ☆☆☆☆
 中島監督ならでは、のポップでカラフルな映像の嵐。
 そのカラフルな映像とスピーディな展開が私を無理なく「御伽噺」の
 世界へ連れて行ってくれた。
 オーバーアクションな演技、奇抜な衣装とメイク、めまぐるしく
 現れるCG。どれもこれもが過剰だけれど、この過剰さが作りあげる
 世界がややありがちな「泣ける」物語を、唯一無二の「泣ける」だけでは
 終わらない個性的な作品にしてくれているように感じた。

 アヤカ・ウィルソンの無垢な笑顔とかわいらしい声にこちらまで
 笑顔になる。彼女の笑顔と演技があったからこそ、
 意地悪じじいだった大貫の豹変振りを説得できたのではないかと思う。
 アベサダヲと上川さん、國村さんは舞台人らしい演技力で、
 奇妙奇天烈な自分たちの役柄を力技で演じ、小池さん、土屋さんは
 「女優」や「女性」、「モデル」といった枠組に縛られることなく、
 自分たちの役柄を強烈に痛快に演じていた。その壊れっぷり
 突き抜けっぷりがとにかく爽快だ。

 そして、役所さん。
 前半のクライマックスで彼が医者に
 「涙はどうやったら止まるんだ?」
 と質問しながら大泣きし続ける場面は圧巻。

 悲しいときは涙が止まるまで泣き続ける。
 悲しみと向き合わない限り、悲しみから逃れることはできない。

 大げさすぎるほど過剰な演出の中で、映画を貫くメッセージは
 ひっそりと訴えられる。その声高に伝えられないメッセージが
 心に残る映画だった。

残すところあと1日の不安

2010年05月04日 16時57分54秒 | 日常生活
連日、遊び放題のゴールデンウィークです。
いろんな人と会って、ごはん食べて話して、お茶飲んで笑って
おやつ食べて話して、お酒飲んで笑って
と胃腸によろしくないような、心の健康に良いような
そんな微妙な日々を過ごしています。

しかしながら、連日の晴天。連日の暑さ。
福岡は一昨日から連日、28度です。
思わず「夏かよ!」と誰ともしれず突っ込みたくなる暑さと
照りつける太陽に体力を搾り取られています。
そもそも、普段は日中に街中を歩くことがないのです。
日の光を浴びることがないのです。

昨日はとうとう、テレビを見ながらうつらうつら。
このワタクシが!
テレビ大好きなワタクシが!
テレビを見ながらうつらうつらするなんて!
するなんて・・・と驚きつつ、朦朧と過ごした昨晩。
諦めがつかずにテレビを見ているつもりが
ふと気がついたときにはリビングで寝入っていました。
今朝も眠気は治まらず。
ゴールデンウィークなど関係なく働き続けている両親に起こされたものの、
朝食後に新聞を読みながらうとうとし、
雑巾がけをしつつも眠気に襲われ、そのまま床に倒れこみ
着替えている途中に力尽きて、ベッドに横になり・・・
と夢うつつの世界を行ったり来たり。

幼馴染と約束をしていたランチタイムに
ようやくようやく目が覚めてきました。

こんな調子で。
木曜金曜にきちんと会社に出社できるものなのか。
今からとても不安です。