旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

休日はローカル線で 三猿と眠り猫とみんみんの餃子 日光線を往く

2014-09-06 | 日記・エッセイ・コラム

 日光東照宮唐門を見上げる。門柱に寄木細工された「昇龍」と「降龍」の迫力が凄い。
台輪上に目を転じると「舜帝朝見の儀」「中国の聖賢」などの彫刻が繊細で見事なのだ。
わたらせ渓谷鐵道の終点間藤駅でタイミングよく乗車できた日光市営バスで日足トンネルを越えてきた。

世界遺産・日光の社寺とはいえ、シーズン狭間の日曜の午後ともなると、さほどの混み方ではない。

 

神厩舎の「三猿」東回廊の「眠り猫」など社殿の彫刻を心ゆくまで観賞できた。まさに絶妙のタイミングだ。

首都圏から日光への鉄道でのルートは、浅草や新宿と特急で結ばれる東武鉄道がメインと言えるだろう。
東武日光駅はバスターミナルになっていて土産物店や飲食店が並んで賑やかな様子だ。一方のJR日光線は、
今市・鹿沼を経て県都宇都宮を結ぶ生活路線。で駅前広場は簡素だがネオルネサンス様式の駅舎は見る価値あり。

ホームに停車中の宇都宮行きは4つドアの6両編成。すべてがロングシートの車両、さらに今回は息子が一緒、
さすがに日本酒を呑むのは躊躇われる。そうだね宇都宮に着いてから餃子で一杯やることにしよう。

かなりの下り勾配であることが乗っていても分かるほどだ。当然に電車は軽快に飛ばしていく。
全線単線ゆえ2度の交換待ちをして45分で宇都宮に滑り込む。短くなった陽が駅ビルを黄金色に照らしている。

 宇都宮は3年半過ごした懐かしい街、息子は生後3ヶ月までここで過ごした。中心部に明神山(135m)があって、
下野一宮・二荒山神社が鎮座する。初宮参りをした豊城入彦命を祭神とする神社に13年を経て戻ってきた訳だ。

二荒山神社東麓「宇都宮みんみん」は地元民から愛される餃子の名店だ。幸い30分ほど並んで席が空いた。
焼き、揚げ、水と皿を並べての餃子三昧、冷えた生ビールとともに懐かしい味を堪能するのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
悲しみのシーズン / 麻丘めぐみ 1974年