旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

鉄人28号と港町神戸と地魚屋台と 海岸線を完乗!

2023-04-01 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 グリーンとマリンブルーの帯を纏った5000形電車、三宮・花時計前行きが入線してきた。
リニアモーターカーを利用した小断面トンネル・小型車体と省力化した車両は大江戸線のそれに似ている。

久しぶりのプライベートな神戸2泊3日の旅、ラストは神戸市営地下鉄・海岸線で港町神戸を巡る。
海岸線の起点新長田駅近く若松公園には、震災復興のシンボルとして「鉄人28号」が雄々しく立っていた。

三つ目の御崎公園駅に降りる。運河で囲まれた街はちょっと風が強い。
ノエビアスタジアムでイエニスタが胸を張る。この日はアウェイの札幌でまもなくKICK OFFを迎える。

公園の片隅には「神戸市電1103号車」が展示されている。この電車は昭和29年生まれの神戸市電の末っ子。
市電廃止後、広島に嫁いだと聞いていたけれど、今は里帰りをしてこの地で暮らしている。

小柄なマリンブルーの4両編成をハーバーランド駅で見送って、ここらで海を見に行きたい。

神戸ハーバーランドのウッドデッキから神戸港を眺める。広がるマリンブルーに観光船が滑っている。

六甲山を背景にして埠頭には「帆船みらいへ」が停泊、タイミングが合えばセイルを広げた姿を見ることができる。

8キロに満たない海岸線の旅は、神戸市役所にほど近い三宮・花時計前で車止めに行手を塞がれた。
JR、阪神電車、阪急電車とは地下街で繋がって、地上に出たらいい感じで暮れているだろうか。

赤々とした “本まぐろ刺” を肴に生ビールを呷る。街に吹く風が冷たくとも先ずはビールに限る。
「とっつぁん」という店名に油断していた。店の中は案外若やいでお嬢さんも多い。とっつぁんはボクだけ?

残念ながらラインナップに灘の酒はない。それでは近いところで和歌山は “雑賀” の新酒をいただく。
海苔に巻いた “かに味噌” を肴に、フレッシュでキリッとした口当たりの辛口しぼりたてが美味い。

大ぶりな “ほたて” をバターで焼いてもらったら、レモンをたっぷり絞って醤油を一滴、香ばしいね。
二杯目、今度は広島へ旅して “寳劔” を択ぶ。旨味ありキレありの純米超辛口が料理を引き立てる。

先客に倣って “きす” だの “貝柱” だの天ぷらを盛り合わせてもらったら、すごいボリュームになってしまった。
この量には辛口の酒だけでは足りず、“角ハイボール” を追加して美味しく流すのだ。
まるで漁港の市場のような活気ある酒場でほろ酔って神戸の旅を〆る。外はネオン煌めく19:00の街だ。

神戸市交通局 海岸線 新長田〜三宮・花時計前   7.9km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
19:00の街 / 野口五郎 1983