旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Osaka メトロに乗って 柑子色の電車と串揚げ酒場とふたり大阪 今里筋線を完乗!

2024-03-02 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

今里筋線の路線図を見ると興味深い。大阪市街の東端を舐めるように南下し都心部に向かうことはない。
さてと今宵の一杯はどこでやるのか考えものだけど、まずは考えるより先に旅に出たい。

市営住宅が立ち並ぶ雨上がりの井高野に、ど派手な柑子色のゲートが口を開けている。
革靴をコツコツ鳴らして長い階段を降りていくと、これまた柑子色のラインを引いた80系が待っている。

なんと可愛らしい。15m×4両のミニ地下鉄は、まるで遊園地の乗り物か?と言ったら言い過ぎか。
たぶん都営大江戸線や仙台市地下鉄東西線と同じようなサイズだと思う。

都心に入らない今里筋線の沿線いは観るべきランドマークは少ない。
関目成育駅から徒歩10分、訪ねた野江水神社は水火除難の守護神、淀川の氾濫に悩まされた土地柄か?
旧京街道に絡む太子橋今市から関目成育の間は、じっくり歩いてみると楽しいかも知れない。

柑子色の4両編成は23分かけて今里駅に終着し、ここで千日前線と接続する。
今里筋線は都心に乗り入れない代わりに「いまざとライナー」というBRTシステムが阿部野橋へと走る。

そして呑み人は、東成しんみちロードへと紛れ込む。
訪れたのは午後8時過ぎだから、果たしてこの商店街が賑やかなのか廃れているのか分からない。
ふらふらとシャッターが降りた狭いアーケードを進むと、串揚げと描かれた白い提灯が揺れている。

髭の大将と笑顔の素敵なお嬢さんに迎えられて、「のすけ」は15〜16席のコの字カウンター。
ご常連で埋まるこのローカルな居酒屋の暖簾を潜るには、少なからず勇気を振り絞る。
先ずは生ビールと “刺身盛り合わせ” で。ワサビたっぷりに “水たこ” が美味しかったなぁ。

ご自慢の串揚げも “おまかせ五本盛り”、タラ白子から始まって、黒毛和牛ハネシタ、豚肉ヘレ、
下仁田ネギ、それに燻製合鴨ロース粒マスタード。どれも美味しい。
大将が勧めてくれたのは “日日 山田錦”、優しく甘い香りの伏見の生酛が串揚げにも相性がいいね。

“浪の音” は大津の酒、これも大将に勧められた超辛口の生原酒、旨味とキレがいい感じだ。
“おでん” は、これは珍しい春菊、それに厚揚げとこんにゃく。冷たい雨の夜に温まるね。

はじめましての街角のローカルな居酒屋で、ひとり旅情に浸る呑み人なのです。

大阪市高速電気軌道 今里筋線 井高野〜今里 11.9km 完乗

ふたり大阪 / 松浦亜弥