夫の叔母が飼っている猫のドリーが、15年の生涯を閉じた。
ここ1年ほどは肝臓も腎臓も機能が弱っていて、もう長くはないと言われていた。
それでも、ドリーは見た目は病気もちのようにも見えず、
静かに過ごしていたのだけれど、ある日とうとう内臓が機能しなくなってこん睡状態になり、
やむをえなく、薬で安楽死させたのだった。
叔母は仕事で遠洋におり、叔父が叔母とメールでやりとりをし、そう決めた。
共に海洋調査にかかわっている叔父叔母は、5年前に陸に上がるまでは
ボートで世界中の海をまわっていて、ドリーも一緒にいろんな国へ行った。
ガラパゴス諸島や、ギリシャ、アフリカなどで現地の人達と一緒に写した写真がいっぱいある。
何度か海に落ちても生き延びたツワモノである。
気位が高く、いつもなんだか不機嫌で、かわいげのない猫だったけど、
叔父叔母の留守には一緒に生活もしたし、
いなくなってしまうと、ぽっかりとして、私の中にドリーの場所がちゃんとあったんだと思い知る。
15年も一緒にいた叔父叔母の気持ちは、どれほどだろうか。
絵の邪魔をするドリー
眠りこけるドリー
「彼女はいい人生だったと思うよ」
叔父がそうつぶやいた。
ドリーは身軽になって若返って走り回っているだろか。
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ここ1年ほどは肝臓も腎臓も機能が弱っていて、もう長くはないと言われていた。
それでも、ドリーは見た目は病気もちのようにも見えず、
静かに過ごしていたのだけれど、ある日とうとう内臓が機能しなくなってこん睡状態になり、
やむをえなく、薬で安楽死させたのだった。
叔母は仕事で遠洋におり、叔父が叔母とメールでやりとりをし、そう決めた。
共に海洋調査にかかわっている叔父叔母は、5年前に陸に上がるまでは
ボートで世界中の海をまわっていて、ドリーも一緒にいろんな国へ行った。
ガラパゴス諸島や、ギリシャ、アフリカなどで現地の人達と一緒に写した写真がいっぱいある。
何度か海に落ちても生き延びたツワモノである。
気位が高く、いつもなんだか不機嫌で、かわいげのない猫だったけど、
叔父叔母の留守には一緒に生活もしたし、
いなくなってしまうと、ぽっかりとして、私の中にドリーの場所がちゃんとあったんだと思い知る。
15年も一緒にいた叔父叔母の気持ちは、どれほどだろうか。
絵の邪魔をするドリー
眠りこけるドリー
「彼女はいい人生だったと思うよ」
叔父がそうつぶやいた。
ドリーは身軽になって若返って走り回っているだろか。
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