太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

命の洗濯

2015-02-14 22:43:32 | 日記
妹がハワイに来た。

妹には子供が3人おり、家は商売をしていて、かつ、妹自身も仕事を持っている。

私には想像もつかないほど毎日が忙しく、自分のために使う時間などないに等しい妹が

思い切って休みを取り、一人で来たのだ。

4泊という短い滞在だったけれど、私もできうる限り仕事を休み、一緒に過ごした。


25年前、妹と私は初めてハワイに旅行した。

それは当時勤めていた父の会社の社員旅行で、地方の零細企業がハワイに行ったのだから

バブル景気とは恐ろしい。

後々、バブルを知らない若者に、バブル景気の話をする時に、うちの会社がハワイに行ったんだよ?

と言うと、かなり説得力がある。


短大を出たばかりの妹は、婿養子をとって跡を継ぐという青写真があり、

妹もそのつもりでいたのだけれど、ひょんなことで和菓子屋の跡取りと恋に落ち

結局ヨメに行ってしまった。ま、人生など何がどうなるかわからないからおもしろい。

私にしても、父の会社にほんの1年ぐらいのつもりが22年も働くことになったのだ、



25年前に来た時には、まさか自分がハワイに住むことになるとは夢にも思わなかった。

ハワイに来て、ハワイが好きでたまらなくなる人もいる中で、

私はそのあとも、ハワイがそれほど好きなわけでも嫌いなわけでもなく、夫に出会うまで

ハワイのことなど考えたこともなかった。だから2回目のハワイは結婚式である。



普段は自分の時間などないに等しい妹が、自分だけのために時間を使えることを

満喫してくれたらいいなと思った。

実際、妹は心身ともにのんびりしたようなのだけれど、

「夜の静けさがこたえた」という。

眠りかけると入ってくる、子供たちからのメールに救われた、と。

大人だけで暮らしていると静かなのは当たり前で

人にそのペースを乱されることもあまりない。

それでも、たまに夫と離れて何日かを過ごすと、普段の静けさに輪をかけた静けさが

こたえるのである。

家族とはそういうものか。



妹は私が5歳の時に生まれた。

5歳なら、妹か弟ができるという記憶があっても良さそうだが、

ある日突然、8畳の和室に赤ん坊が寝ていたところから、私の妹の記憶が始まる。

入院している母に会いに行ったことは覚えているけれど、きょうだいができる嬉しさなど全く覚えていない。



子供心に、親の愛情をとられるのが嫌だったからなのかはわからないが、

妹は想像以上に可愛い、オモチャみたいに愛らしい赤ん坊だった。

妹が大学生の母親になった今でも、私は妹の目の中に、

私に自分のヤクルトをにっこり笑って差し出す、あのままの妹を簡単に見つけることができる。


家族の間では、互いにずっと時が止まったままなのかもしれない。

老いてゆく親を受け入れられないのも、そういうことなんだろうか。



妹が、心の洗濯をしてスッキリして帰ったならいいなと思う。





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