太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

恥ずかしい話

2015-11-30 20:50:39 | 日記
恥ずかしい話など、カテゴリーを作れるほどある。

ちょっとやそっとのことじゃ、もうそれほど恥ずかしいと思わなくなったのは

顔の皮が厚くなったからか、恥ずかしいことに麻痺したかどちらかだ。


時々、何かの折に過去の恥ずかしい話を思い出すことがある。

思い出し笑いではなく、思い出し恥、とでもいおうか。



私は東京に行って、新宿駅にいた。

新宿駅は、静岡から出てきた者にはすごく広くてわかりにくい。

そもそも私はJRと私鉄の区別がついていない。

私鉄に乗るのに、JRの駅から一旦出なくてはならないことも、

理屈ではわかるが、混乱する。

友達と待ち合わせする場所に向かうのに、私は完全に迷っていた。

迷ったら、傷が浅いうちに人に聞く。これが一番。

なんだか知らないけど辿り着けた、ということは私に限ってはない。

視界の端に駅員さんの姿が入ったので、私はサッと振り向きざま、

「あの、○○線に乗るにはどちらに行けばいいでしょう?」

とハキハキと聞いた。人混みの中では声を張り上げないと聞こえない。

しかし、私がハキハキと話しかけたのは、

『工事中 ご迷惑おかけします』

という札を下げた、駅員さんの格好をした人形だった。

呆然としている私の前で、人形は無邪気な笑顔で突っ立っている。

声を張り上げなけりゃよかった。

姿を確認してからにすればよかった。

人々はあきらかに私に気づいており、気のせいか私のまわりは

スペースができているように思う。

こんな時、連れがいれば笑っておしまいになるのに、一人じゃ本当に困る。



東京ついでに、目白駅の思い出もある。

時々、目白に行く用事があったので、電車の時刻表があれば便利だと思った。

それに合わせて新幹線を選べるし、ここは一つ時刻表を手にいれよう。

そうだそうだ、それがいい。

私の最大の短所であり、皮肉にも長所でもあるのは、思慮が浅く、

すぐ行動に移すところだ。

私は改札の横の、駅員さんがいる部屋に顔を突っ込んで言った。

「山の手線の時刻表くださーい」

駅員さんは一瞬ギョ、とした表情をしたあと、

「え、えーと、あったかなあ、ちょっと待ってね」

と机の引き出しをあけた。

その時、私はようやく気づいた。

山の手線なんて数分ごとに電車が来るんだから、時刻表なんか意味ないんじゃ…

引き出しをかき回している駅員さんに、

「やっぱいいです…」

と小さい声で言って、早歩きでそこを去った。

東海道線や御殿場線じゃないんだから。

でも、本当に山の手線の時刻表ってあるのだろうか。

それとも、アホな田舎もんに対する駅員さんの精一杯の親切だったんだろうか。



にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村