太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ギョサン

2016-11-18 20:55:21 | 日記
「 ぎょさん を見に行こうと思ってンだけど」

と言ったのは、小田原で会った友人である。

「ギョサン??」

初めて聞く言葉だ。日本語かどうかも怪しい。

友人によると、漁師さんたちの間で人気の、滑りにくいサンダルなんだそうだ。

漁師の「漁」と、サンダルの「サン」で ギョサン か。


なるほど。


10年近く愛用していたビーチサンダルが、とうとう壊れてしまったところだったから

これ幸いと友人に付いてゆくことにした。



小田原駅の近くにある、松下靴店にギョサンはあった。

松下靴店は、いかにも商店街の中の靴屋さんといった風情だ。

店の横には、ギョサンのマスコット ギョッピーくん がいた。


ギョッピー


日本では、ゆるキャラとかいって、なんでもかんでもマスコットがあるらしいけど、まさかここにも。

顔の部分が穴になっていて、自分の顔を出して写真を撮れるようになっている。

もちろん写真を撮った。人通りも車も通る店先で。年甲斐もなく。


小田原名物ギョサンと書かれた旗の横をすり抜けて店内に入ると、入り口に、色とりどりのギョサンが、所せましと並んでいる。

そのバラエティには、驚いた。



松下靴店のHPより


ゼリーみたいに半透明になったのや、その中にキラキラするものが入ったのや、

鼻緒のデザインもいくつかあって、友人と私はいくつも試し履きしてみた。

迷った結果、私が買ったのはコレ。




写真で見るとわかるが、鼻緒と底が一体化している。

ビーチサンダルは、たいてい鼻緒が底から抜けてしまって使えなくなるので、これは長持ちするかもしれない。

私の壊れたビーチサンダルも、10年のうち半分はハワイで年中酷使していたことを思うと、かなり長持ちしたと思う。

ということは、ギョサンはそれ以上もつのか?

今から10年、いや15年として、私はいったい何歳になってい・・・・・(以下自粛)・・・






気を取り直して、ギョサンについて調べてみたので書いておく。


今は小田原名物だが、発祥は小笠原。小笠原が日本に返還された1968年過ぎから、それまでのアメリカのビーチサンダルにかわって

磯で滑りにくい合成樹脂の履物が売られるようになった。それが漁師の間で評判になり、70年代になって、漁業従事者用サンダルになったらしい。



なるほど。(2回目)

業従事者用サンダルで ギョサン なんだな。




履いてみると、素材が硬いからか、最初はしっくりくる感じはしないのだが、

履いているうちに、その硬さが心地よくなってくる。



ギョサンを見た夫が、

「これは見たことがある」

と言う。

そんなはずはない。私だって知らなかったんだから、夫が知っているはずがない。

「いや、でもどこかで見た」

サーファーにおすすめのサンダルっていうことらしいから、日本にいたときにサーフィン仲間の誰かが履いていたとか。

「うーん・・・」


しばらく考えていた夫が、にわかに叫んだ。




「ベンジョスリッパ!!!!」




はァ?



よくそんな日本語覚えてたもんだね。





日本で英語を教えていた幼稚園のトイレに、こういうのが置いてあったそうなんである。

むろん、靴のサイズ31センチの夫には履けやしないのだが、

それまで見たこともないサンダルだったので、よく覚えているのだそうだ。



まあ

そう言われてみれば、絶対に違うとは言い切れないけども

漁業従事者用サンダルが、一気に便所サンダルになってしまうとは。

このサンダル、けっこう気に入ってるのに、履くたびに


ベンジョ


の文字が頭に浮かぶのである。






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