太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

夏は虫の季節といっても

2018-07-19 07:36:23 | 日記
また、せせらぎの話で失礼。



寝入りばなに、猫が網戸に体当たりする音で目が覚めた。

部屋の中が明るいと、その灯りにつられて来る虫や、

その虫目当てのゲッコー(やもり)を猫がつかまえようとすることはあるが

部屋の中はまっくら、月のあかりがほのかに部屋に入ってくるだけ。

以前、虫を取ろうとして1階の網戸に猫が体当たりして、網戸がはずれ、網戸ごと庭に着地したことがあった。

しかしいくら猫でも2階から落ちたら怪我をするかもしれない。

見にいくと、猫は窓枠に陣取って網戸を睨んでいる。

「ちょっと、何がいるのー?だめだよ、落ちたらあぶな・・・ ひっ !!」

暗闇に目を凝らしてみた私は、言葉を失った。

網戸の外側を歩き回っていたのは、巨大な、それはそれはまるまると肥えた



せせらぎ



だった。

注)せせらぎとは、伊坂幸太郎氏の小説から引用した、ゴのつく虫の別名である。書くのも嫌な為。

別の窓に走ると、まさかの、そこにもせせらぎがいた。

他の窓を見ると、なぜかそこにもいるではないか。

私はガーガー寝ている夫を起こして、この惨状を伝えた。

すると夫は、さもなんでもないことのように言った。


「そりゃ夏だからさ、虫は出てくるよ」


そしてすぐに寝てしまった。


夏だからって、それが答えになっているか?

ハワイなんて年中夏みたいなもんじゃないか。

それに普通の虫じゃない、せせらぎだ。

カブトムシやクワガタと同じにしないでもらいたい。

庭の、アガパンサスの花の下に、せせらぎの棲家があるのは知っている。

(夫が花を植え替えた時に見つけて、そのまま土をかけておいたという・・・信じられない)

冬よりは暖かくなって、そこから出てきたやつらが、家の外壁を這いまわっているというのか。

私は網戸と窓枠の間に隙間がないかどうかを確かめ、

暑いけれど、猫が網戸ごと落ちないように窓を3センチぐらい残して閉めた。

猫が網戸を押して網が緩み、その隙間からせせらぎが家の中に入ってきたら、と思うと眠れやしない。



そして今朝のことだ。

夫が、1階のクロゼットから猫のドライフードを出してきた。

密閉容器に入れてあるドライフードが残り少なくなってきたので、継ぎ足すのである。

いつのまにかクロゼットに忍び込んだ猫が、ドライフードの袋を食い破ってしまったために

袋ごとゴミ袋にすっぽりと入れて口を閉めてある。

夫がゴミ袋ごとのドライフードをテーブルの上に置いた時、私は背中を向けてキッチンに立っていたのだが

独特の勘としかいいようのない何かを感じて振り向くと、

せせらぎが袋の外を伝って、今まさにテーブルを這っていた。


「そこッ!!!」


思わず日本語で叫ぶと、「I know」と、憎憎しいほど平然としている夫。

私は素早くペーパータオルをひきちぎって夫に渡し、テーブルの裏側に逃げ込もうとするせせらぎを追った。

逃してなるものかと、手近にあった布巾をひったくり、テーブルの裏を叩いて歩き、

床に落ちたところを、思い切りスナップをきかせて布巾でひっぱたいた。

せせらぎは一瞬脳震盪を起こして動きが止まり、再びゆるゆると動こうとするのを夫がしとめた。



この、脳震盪作戦はちょっと前に偶然に開発したもので、意外といける。

つぶれるのは見るのも処理も耐えられない。

姉が、最近日本には、噴霧すると瞬間に凍ってしまうスプレーがあるのだといった。

「凍ったところを、そうっと何かでつまむわけよ。感触が伝わってこないように」

姉も妹も、私に負けずとも劣らぬ、せせらぎ嫌いなのだ。

瞬間に凍るスプレーはないので、脳震盪作戦でいくしかないが、

ただ、気絶したところを捕獲する相手がいないとどうにもならぬのが難点である。











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