太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

やりたくないことがあるシ・ア・ワ・セ

2018-12-03 09:40:54 | 日記
朝、携帯電話のアラームが鳴る。

窓の外はまだ星がまたたいている。

このまま寝ていられたら、こんな幸せなことはない、と思いながら起きる。

じゅうぶん睡眠は足りているのに、気持ちだけが眠い。

休日の朝、ふと目が覚めて、そのまままた好きなだけ眠れる至福。

仕事が嫌なわけじゃないけれど、仕事に行きたくないなあと思う。

休日だって、どんなに寝ようとしても7時半ぐらいまでには起きてしまうし、

遊びに行くための早起きは全然苦にならないのに、仕事の日の早起きは嫌だなと思う。



(あー、なーんにもしなくてよくて、どこにも行かなくてよくなればいいのに)



窓の外の星空を眺めながら、そう思ったあとで

私は気づいてしまった。



やりたくないことは、できること。




起きるのが嫌なのは、起き上がって動くことができるから。

仕事に行くのが嫌なのは、仕事があって、元気に働くことができるから。

絵を売るための準備がめんどくさいのは、絵を売ることができるから。

出費がかさんでブルーになるのは、払えるお金があるから。

日本にいる親のことが気がかりになるのは、親がいてくれるから。




そうなのだ。

やりたくないのは、できるから。

できないことは、やりたくてもできないのだから。




夫が寝しなに、背中をマッサージして、と言った。

私は、んもう!めんどくさいなあと思いつつ、適当にマッサージしていたら、

ついさっきまですごく元気だった夫の具合が悪くなってしまったことがあった。

私の「めんどくさい!」というイヤイヤのエネルギーが、そのまま夫の背中に伝染したのだ。

そのことがあってから、イヤイヤの気持ちがあったらリセットするようになった。

それだって、マッサージできるのはそこに夫がいるからで、

夫がいなかったら、マッサージしたくてもする人がいない。




行かなくてはならないところも、しなくてはならないことも何もないことに憧れるのは

私にそういう体験がないからかもしれない。

学生の頃は学校があり、宿題や課題があり、社会人になれば仕事があって、

子供を持たなかった私は、1日のブランクもなく27年間フルタイムで働いた。

ハワイに移住して最初の1年は何もしなかったけれど、夫のウツ、シュートメとのバトルで

神経をすり減らした1年だったから、「何もしなくていい幸せ」など感じる余裕はなかった。



昨年心臓を手術して、今度は腰の手術をすることになったマイク。

1年半前には、ハングライダーもやり、トレッキングもし、自転車にも乗っていたのに

今は歩くことすらおぼつかない。

やりたいことが何でもできることが当たり前だったあの頃の自分は、なんと傲慢だったことか。

だから、私の夫がスケートボードで転んで肘にヒビが入ったというのを聞いて

「できるうちに何でもやっておくことだよ」

と言ったのだ。

朝、やっぱり起きたくないと思う。

けれど、起きることができる幸せも、今の私は気づいている。











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