太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

あわびまで24時間

2018-12-14 18:59:29 | 英語とか日本語の話
南アフリカの、Abaloneの密漁のドキュメントをやっていた。

Abaloneを獲るには政府の許可が必要なのだが、こっそりと密漁して中国に売り、

そのお金でドラッグを買う。

土地の人たちはAbaloneを食べないらしい。


画面には、大きなAbaloneが映っている。

こんな大きさのAbalone、日本で食べたらさぞかし高いんだろうなァ。

「Abaloneは日本語でなんていうの?」

夫が聞いた。

「え、知らなかった?アバロニは・・・・・」



アバロニは・・・・


えーと、アバロニ・・・・・


うーん・・・・


「辞書で調べてあげる」

「だめだめ!思い出すから!」

うーん、うーん、うーん

喉元まで出かかっているが思い出せない。

3分たっても頭を抱えている私に夫が、

「もう、いいよ・・」

と言うが、全然よかぁない。

思い出せないことを放置すると、そこからボケるんだと誰かが言っていた。

思い出せないことを思い出そうとする、その行為が脳を活性化するのだ。

高級食材、こりこりして、刺身でもいいし、ちょっと蒸しても美味しいんだよね。

思い出せないまま寝て、翌日の夜、それは突然出てきた。




「アワビ!!!」



あー、すっきりした。

便秘解消ぐらい、すっきりした。

こんなことが増えた。

1番出てこないのは、人の名前。

いつだったか、日本で友人に会った時に東京の自由が丘に行った。

学生だった頃、自由が丘で女優とすれ違った、という話をしようとしたが、

女優の名前が出てこない。

容姿ははっきりと浮かんでくるのに、名前だけが空白。

「ほら、長いストレートヘアを真ん中で分けててさ、気が強い感じの美人でさ」

「えー、どんなドラマに出てたのよ?」

映画もドラマもけっこう出ていたはずだけど、思い出せない。

とうとう名前を思い出せないまま、私も友人も消化不良で話を終えた。

ハワイに戻ってきて、数週間過ぎた頃、仕事からの帰り道でそれは突然降りてきた。

私は信号待ちの時に。急いで友人にたった一言メールをした。


「池上希実子!!」


案外すぐに返信が来た。

「一瞬なんのことかと思ったけど、思い出したわけね。で、池上希実子がなんだっけ?」

「テレビで見るよりずっと小柄で驚いた、って話」

思い出す労力に比べ、肝心の話はどうだっていいようなことなのである。



そのあと、加山雄三の名前も、そうとう回り道をしてたどり着いた。

映画でコンビを組んだ、青大将こと田中邦衛や、伊豆半島にあるミュージアムや、「君といつまでも」の歌や

奥さんの名前まで総動員して出てくるのに、加山雄三だけが出てこない。

やっとひねり出したときには、いったい何故思い出そうとしていたのかわからなくなっていた。



しかし、あわびまでの24時間、池上希実子までの数週間、

私の脳の細胞はちゃんと活性していたはずで、それでいいのである。












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