太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

私がモップがけをするその訳

2019-02-02 20:53:22 | 日記
「レディ・キラー」という、トム・ハンクス主演の古い映画がある。

タイトルはキラーだが、間抜けな泥棒たちのブラックコメディだ。

私はこの映画がなんとなく好きで、何度も観ている。

この映画をみたことがある人と話をしていて、どのシーンが印象的だったかということになり

「やっぱり結末でしょう」とその人は言い

「結末ももちろんだけど、私はベッドの下だな」

と私は正直に言った。

「?」

それが古い友人であったならよかったが、言ってから私は少し後悔した。

言った手前、説明せねばならず、説明してもたいていの場合賛同は得られないからだ。

まあ、古い友人とて私にむりやり寄り添ってくれているのかもしれないけど。


トム・ハンクスは泥棒だが、大学教授を装って、黒人の老未亡人の家に下宿をする。

その家の地下室から穴を掘ると、港に停泊している豪華客船の金庫まで一直線に届く。

その船にはカジノがあって、金庫にはお金がうなっているのだ。

あるとき、老未亡人の知り合いの警察官が家にあがってくる。

トム・ハンクスは相手が警察官なので、あわててベッドの下に隠れる。

老未亡人がベッドの下をのぞくと、紅茶のカップを手にしたトム・ハンクスが腹ばいになって

「いやちょっと考え事など」といって苦笑いをする。


トム・ハンクスが滑り込んだベッドの下は、塵ひとつない。

私は感動した。


・・・・・・・・・・・・・・・・



そこ、感動するとこ?って多くの人が思ってる。

でも感動したのだからしかたがないではないか。

とにかく。

ソレをみた時から、私は毎朝、仕事に行く前に家中のモップがけをするようになった。

我が家は木の床とタイルの床だけなので(階段は絨毯だ)、掃除機は週末にかけるだけで、

普段はさっと箒で掃いてから乾いたモップで事足りる。

特にベッドの下は念入りにやる。

いつベッドの下にもぐりこんでも大丈夫なように。

ズボラな私が、毎朝モップがけをするなんて夢のような話だが、

続いているのには、べつの理由がある。

昼間、夫も私も留守で、家にいるのは猫2匹。

4時半ぐらいに夫が帰宅してから、私達がベッドに入るまで4時間もない。

それなのに、どうして毎日毎日埃が出る。

昼間、猫たちが何をしているか知らないが、ほとんどは居眠りで

ときどき追いかけっこ、窓の外を眺めるぐらいであろうし、

私と夫が家にいる間も、ふたりで走り回っているわけでもないのに、

毎朝、毎朝、モップに埃がこれでもかとくっついてくる。

箪笥の下や靴箱の下をモップで撫でると、埃がよじりあってくっついてくる。

それが、毎日。

私はモップについてくる埃を見て、毎朝疑問と感嘆を繰り返しているうちに

妙な達成感を感じるようになってきた。

「またこんなに埃が!」

「いったいこの埃はどこから?」

猫たち相手に埃をつまんで捨てながら、心は満足している。



そのようなわけで、映画「レディ・キラー」のおかげで

うちのベッドの下は、いつどんなときもトム・ハンクスが潜り込める状態を保っている。

という、どーでもいい話。






















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