太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

おばばのショートパンツ

2021-10-13 08:34:12 | 日記
職場を訪れる、70はゆうに超えたおばば達が、太ももを惜しげもなく出してショートパンツを召している。
ミニスカートのおばばだって、いる。
夫の叔母たちも、ミニスカートははかないが、ショートパンツは平気だ。


日本を離れていると鈍ってくる感覚のひとつに、「相応」がある。
年齢相応、季節相応、性別相応、アメリカという国が、そういうことから自由なのか、
その中でもハワイはさらに自由なのか、まったくもって楽である。
その点、日本は「相応でない」ことについて非常に気にするし、
また、他人の「相応でない」ことについても厳しい。


いつか記事にもしたけれど、何年か前の10月に日本に行ったら夏日で、とても長袖など着ていられない。
それなのに道行く人たちは、ちゃんとした秋服を着ている。
私は暑いのでタンクトップで歩いていたら、視線が痛い。とうとう、すれ違いざまに若い女の人から
「さむそっ!!!」
と言われてしまった。
隣にいた半そでTシャツの夫は、ガイジンなので良しとしたのだろう。
頭に来たので夫に言いつけると、
「あつそ!って言えばよかったのに」
と言われ、引き返して腕をつかまえて言いたくて地団太を踏んだ。


人と違うことを、どうして見逃せないのだろう。
私だって日本にいたときには当然のようにそうしていたのだけど。
40歳を過ぎて、若くもなし年寄りでもなし、いったい何を着ればいいのかわからなくなったのを覚えている。



日本人で、70代で太もも丸出しにして出かける人は、まず、いないんじゃなかろうか。
40過ぎたら膝を出せない、ビキニなんか着れない、なんて真剣に言う人たちがいるのだ。
腹肉に半分隠れてしまうビキニでも、タルタルの脚を出していても、
暑いのにダウンを着ていても(いるのだ、そういう人たちが)、裸足で歩いていても、
誰もジロジロ見ないし、すれ違いざまに何か言われることもない。
この自由さに慣れると、日本に行くのが怖くなる。