太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

やりたいか。楽しい気持ちになるか。

2023-03-14 18:02:15 | 日記
「お題」の続き。


次のお題は、またギャラリーがらみで、前述とは別のギャラリーのオーナー(女性)とのやり取り。
そのギャラリーはこの島でも老舗で名が知れている。たいていのギャラリーのオーナーは、店にいる従業員のトップにある程度の権限を与えているのだが、ここは何をするにしろ、オーナーの許可がいる。
しかも、このオーナー、メールで問い合わせをしてもなかなか返事が来ない。
向こうから何かを頼むとき以外は、同じメールを何度も送らねばならないのだ。

先日、オーナーからメールがあった。

『他のギャラリーのサイトをみていたら、〇〇ギャラリーにすばらしいあなたのオリジナル作品があるじゃないの!何かうちに持ってこれるオリジナルはあるかしら?』

今出せるものの写真を2つ送り、現在制作中のものがあることを添えて返信したら、添付した作品に対する返事はなく、『現在制作中のものが出来上がるのを楽しみにしてるわ』と来た。
作品が完成してから、写真を送った。1回目、返事こず。同じメールを再び送り、きた返信がこれだ。


『明日、ジェイとデビーが店に出る日で、彼らなら今週どんな作品が入荷するかわかっているから。
追伸:これと、〇〇ギャラリーのオリジナル作品とトレードできるかしら?


前半の意味は不明。ジェイとデビーにわかっていることなら、オーナーだってわかっているはずじゃないか。
追伸部分は、ようするに私が送った新作は気に入らないので、他のギャラリーにある何かと交換したい、ということだ。

作品が気に入らないのは別にかまわない。けれど、それを他のギャラリーに既に収めてある作品と取り換えろ、というのはちょっと失礼じゃないか、と思った。
それでも二日考えて、余計なことは一切言わず、

「〇〇ギャラリーの、どのオリジナル作品が目に留まったのですか?」

とだけ書いて送った。
トレードはしないけれど、どの作品が気に入ったのかわかれば、それに似たものを新たに制作してもいいという気持ちで、私としては譲歩したつもりだ。
それなのに、返事がこない。
2回目を送って、それにも一切返事がこない。
トレードできないか、と聞いてきたのは向こうなのに。


ここで私は考えた。


老舗で、島1番といわれているギャラリーに作品をおけることは名誉なことだと思う。実際、マイクは何度も断られていて、いまだに置けていない。
そう思って、オーナーとのやり取りで感じてきたモヤモヤを我慢してきたのだけれど、果たしてそれでいいのか??と。

亡くなった母が夢の中で伝えてくれたメッセージが思い浮かぶ。
『死んでから持っていけるものは’経験’だけ。1日1日を楽しく過ごして、楽しい経験をたくさん集めて生きてね』


自分にとって、心が楽しくないことを我慢するのは、もうやめよう。
私に残された時間を思うと、すんなりいかないこと、気持ちがギザギザすることに費やすのはもったいない。
それより、楽しいことをやろう。
どうも私は、「べき」とか、「しなくてはならない」とか言い過ぎる。
これからはそう言いたくなったら、『やりたいか、楽しい気持ちになるか』を自分の胸に聞こう。

私のオリジナル作品を多数おいているギャラリーは、自宅から車で5分、ラティーシャとはツーカーの仲、嫌な思いをすることが全くない。
そして、そこも田舎にあるとはいえ、品揃えでみれば島1番という人たちもいる。
そこに作品を置いてもらえることに、私はもっともっと感謝しよう。
返事の来ない老舗のギャラリーには、プリントしたものだけを補充して、もしオリジナル作品が「余ったら」、画像を送ってみてもいい。
以前の私なら3回目のメールを送ったと思うけど、もう3回目はナシだ。


二つ目のお題で私が出した答えは、たぶんあってるような気がする。








お題

2023-03-14 07:50:14 | 日記
これが私と開き直らずに、懐の深い人間になろう、と決めた。(その記事はコチラ
何かを決めたら、それに関するお試し問題がやってくる、というのは誰にも平等な宇宙の法則で、私にもいくつかのお試し問題が降って来た。
懐の深さを測るといっても、たいした練習問題ではないが、これに合格しないと、もっと面倒な問題がやってくるのを知っているので慎重になる。


あるギャラリーに立ち寄ったとき、ラティーシャと話しているところへナタリーが入って来た。
「この、バイオなんだけどね」
作品の裏には、作者の簡単な略歴やらストーリーを記した文章がついていて、それをバイオという。
私も、6年前ぐらいのほぼ詐欺のような顔写真とともに、絵を始めたきっかけやらコラージュのことなどを書いた文章をつけてある。

「11か所、間違いがあるの」

私の作品の裏のバイオを指さして、言った。
そしてその間違いをひとつずつ説明してくれるのだが、11か所のうち9か所は、ピリオドのあとに一文字分のスペースがない、というもので、あとはFORでもいいがONのほうがしっくりくるという前置詞と、カッコでくくる時のカッコの選び方だ。
それは夫に添削してもらってから印刷したものだし、6年以上誰にも指摘されたことはない。
「Who care?(誰が気にするってのさ)」と胃のあたりまで出かかって、飲み込んだ。
ナタリーは、添削したのをメールで送ってくれるという。

「まーそれは親切にありがとう。実はバイオをたくさん刷ったばかりだから、次のときに使わせてもらうね」

ナタリーは嬉しそうな顔をして、
「よかった。私、こういうのって我慢できないタチなの」
ナタリーが去ったあと、ラティーシャがクチパクで
「完・璧・主・義・者」
と言って舌を出した。

最初の練習問題の解答は、果たして正解だったろうか。


次に来たお題は、次回に。