「お題」の続き。
次のお題は、またギャラリーがらみで、前述とは別のギャラリーのオーナー(女性)とのやり取り。
そのギャラリーはこの島でも老舗で名が知れている。たいていのギャラリーのオーナーは、店にいる従業員のトップにある程度の権限を与えているのだが、ここは何をするにしろ、オーナーの許可がいる。
しかも、このオーナー、メールで問い合わせをしてもなかなか返事が来ない。
向こうから何かを頼むとき以外は、同じメールを何度も送らねばならないのだ。
先日、オーナーからメールがあった。
『他のギャラリーのサイトをみていたら、〇〇ギャラリーにすばらしいあなたのオリジナル作品があるじゃないの!何かうちに持ってこれるオリジナルはあるかしら?』
今出せるものの写真を2つ送り、現在制作中のものがあることを添えて返信したら、添付した作品に対する返事はなく、『現在制作中のものが出来上がるのを楽しみにしてるわ』と来た。
作品が完成してから、写真を送った。1回目、返事こず。同じメールを再び送り、きた返信がこれだ。
『明日、ジェイとデビーが店に出る日で、彼らなら今週どんな作品が入荷するかわかっているから。
追伸:これと、〇〇ギャラリーのオリジナル作品とトレードできるかしら?』
前半の意味は不明。ジェイとデビーにわかっていることなら、オーナーだってわかっているはずじゃないか。
追伸部分は、ようするに私が送った新作は気に入らないので、他のギャラリーにある何かと交換したい、ということだ。
作品が気に入らないのは別にかまわない。けれど、それを他のギャラリーに既に収めてある作品と取り換えろ、というのはちょっと失礼じゃないか、と思った。
それでも二日考えて、余計なことは一切言わず、
「〇〇ギャラリーの、どのオリジナル作品が目に留まったのですか?」
とだけ書いて送った。
トレードはしないけれど、どの作品が気に入ったのかわかれば、それに似たものを新たに制作してもいいという気持ちで、私としては譲歩したつもりだ。
それなのに、返事がこない。
2回目を送って、それにも一切返事がこない。
トレードできないか、と聞いてきたのは向こうなのに。
ここで私は考えた。
老舗で、島1番といわれているギャラリーに作品をおけることは名誉なことだと思う。実際、マイクは何度も断られていて、いまだに置けていない。
そう思って、オーナーとのやり取りで感じてきたモヤモヤを我慢してきたのだけれど、果たしてそれでいいのか??と。
亡くなった母が夢の中で伝えてくれたメッセージが思い浮かぶ。
『死んでから持っていけるものは’経験’だけ。1日1日を楽しく過ごして、楽しい経験をたくさん集めて生きてね』
自分にとって、心が楽しくないことを我慢するのは、もうやめよう。
私に残された時間を思うと、すんなりいかないこと、気持ちがギザギザすることに費やすのはもったいない。
それより、楽しいことをやろう。
どうも私は、「べき」とか、「しなくてはならない」とか言い過ぎる。
これからはそう言いたくなったら、『やりたいか、楽しい気持ちになるか』を自分の胸に聞こう。
私のオリジナル作品を多数おいているギャラリーは、自宅から車で5分、ラティーシャとはツーカーの仲、嫌な思いをすることが全くない。
そして、そこも田舎にあるとはいえ、品揃えでみれば島1番という人たちもいる。
そこに作品を置いてもらえることに、私はもっともっと感謝しよう。
返事の来ない老舗のギャラリーには、プリントしたものだけを補充して、もしオリジナル作品が「余ったら」、画像を送ってみてもいい。
以前の私なら3回目のメールを送ったと思うけど、もう3回目はナシだ。
二つ目のお題で私が出した答えは、たぶんあってるような気がする。