太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

しつこいリングワーム

2023-03-28 14:31:38 | 日記
リングワームでえらい目にあった。
最初に症状が出たのは1月半ばで、脇の下と太ももに輪ゴムのような形状に皮膚が少し盛り上がり、かなり痒い。
2月初めに主治医の予約を入れていたので、それまでに市販のクリームで凌いで、ひどいようなら皮膚科を紹介してもらおうと思っていた。
主治医に行ったとき、まだ残ってはいるが、ほぼ治りかけていて、これなら皮膚科に行くほどではないと医者も言った。

「どこからもらったのかわからないんだけど、なんで?」

そもそも、リングワームは外猫や土から感染するといわれているが、私には何の心当たりもないのである。
すると医者は

「あはは、そんなの、どこにだっていますよ。皮膚の上には常にいろんなのがあって、たまたまそれが集まっただけ」

と言って笑った。そんなものか。
このリングワーム、何が面倒といって、感染力が強いこと。  


1度でも手を通した服は洗う。
だから洗える服しか着られない。外出するのに着るような服は、ドライクリーニングしかできなかったりする。1度着ただけでクリーニングするのも面倒だ。私の場合、太ももと両脇なので、トップスとボトムの両方だ。
仕事から帰ってシャワーを浴びたら、いつもなら部屋着になるところを、着れば着るだけ洗い物が増えるから、即パジャマだ。


シャワーの際のバスタオルも、1度使ったら洗う。
だからバスタオルをやめて、フェイスタオルにした。
ちょっとだけ羽織ったものでも洗うので、洗濯物の量が半端ない。そこへきて、あのホテルのタオルのような無駄に分厚いバスタオルが1日に2枚加わるなんてとんでもない。
1回使ったら、洗う。週に1度か2度しか洗わないバスタオルより、よほど清潔だし、考えてみれば、子供の頃はフェイスタオルをお風呂上りに使っていたのだ。
そう思って、日本で買ってきた薄手のフェイスタオルを使ってみたら、洗濯物の嵩も増えないし、とてもいい。
実はこれは気に入っていて、今後も私はフェイスタオルにしようと思う。


トイレは使ったら必ず便座を消毒する。
これは夫に移さないためでもあるし、自分へのさらなる感染を防ぐためでもある。’


朝晩しっかりシャワーを浴びて、薬をたっぷり塗り込む。
私は朝シャワーの習慣はなかった。
夏の朝、よほどベタベタすると感じたとき以外は、顔をさっと洗うだけ。それが毎朝シャワーで昨夜塗った薬をしっかりと洗い流し、タオルで患部を拭くと他に感染する恐れがあるので、患部はドライヤーで乾かし、薬を塗りこむ。
塗り薬は、いろんな成分のものが売られているけれど、Clotrimazoleという成分が入ったものが効くと思う。
ただ、人差し指ぐらいの大きさのチューブで、1500円ぐらいする。
これを両脇と、両太ももの周囲全体に塗ると、ひどかった時には1日で1本使い切ってしまう。
いったいこの薬をいくら分買ったことか(怖)




さて、主治医に行ってから10日ほどで、すっかり元の皮膚に戻り、喜んだ私は、薬を塗るのをやめた。
そうしたら数日後、再び出てきた。それも前よりひどく・・・・・
症状はなくても、菌はまだそこにいたのだ。
また、同じことの繰り返し。
4月には旅行も控えており、なんとしてもそれまでには完治させたい。旅先で1度着たら洗うなんて無理というものだ。

そして3月の終わり。
リングワームは、ろうそくが消える直前にフッと一瞬強く燃えるように、治りかけに一旦ひどくなるみたいだ。
こりゃ皮膚科に行かねばなるまいか、と思った矢先、やっと症状が消えてきた。
しかし、今回は気を抜かずに薬を塗るつもり。
治りかけた今頃になって、Amazonで、私が使っていた薬の2倍の量のチューブが2個セットで600円ほどなのを見つけた。
なんでもっと早く探さなかったか。
もちろんオーダーして、旅行先にも持ってゆくとも。







会いたい人に会っておく

2023-03-28 09:03:42 | 日記
ファミリーフレンドの、ドッティとポールに会いに行った。
ポールは考古学者であり、牧師でもある。
ドッティはアーティストだ。
カイルアの、オロマナ山が見渡せる静かなところに、彼らの家がある。
4人の息子たちの、下の二人は夫と義兄の同級生で、小学校のある教会の牧師がポールだったから、45年来の友人である。

私がコラージュを始めたとき、コラージュをやるアーティストの集まりの中にドッティがいた。
ドッティは私がそれまでに出会った、どんな70代よりも素敵だった。
一言でいうなら、少女がそのまま年を重ねたような。
自然で、いつも楽しそうで、おもしろいことを探すのが得意で、さりげない思いやりに溢れている。
ハワイに来たばかりで知り合いがいない私に、時々電話をかけてきてくれたりした。

パンデミックで、コラージュの集まりもなくなり、ドッティとも滅多に会わなくなった。
ドッティが常に酸素補給が必要になり、ポールも激やせしたのだと聞いたのは数日前。
2人暮らしなので、義両親が野菜スープなどを作って先に会いに行き、私と夫は数日おいて、ドッティが好きな稲荷寿司をたくさんこしらえて会いに行った。

オロマナが一望できるリビング


酸素チューブをつけ、歩行器で現れたドッティはずいぶん痩せていたけれど、目はキラキラとしていた。
私が好きな彼女の作品

これはコラージュ。三頭のトラが隠れている。

私の作品をいくつか持参して、発表会。
「あー、これ見てるとコラージュやりたくなるー。やろうかな、フラダンサー作ってみたいわ」
私たちが行ったことで、創作意欲を刺激したのならよかった。
ポールの仕事でパプアニューギニアに住んでいたとき、ポールは家具作りに目覚め、家にある殆どの家具は手作り。

ドッティは86歳、ポールは84歳。
話していると、元気溌剌だった頃と何の変わりもない。ただ、身体が言うことをきかない。

「ハニー、この前のクリスマスの写真、見せたいから持ってきてくれる?」
ドッティがポールに言うと
「ちょっと待って、息を整えるから」
ポールがカウチに座ったままで、言う。
写真なんか、いい。ここでこうして顔を見て話せたら、それでいい。

「Life is short(人生は短いわね)」

浅い呼吸の合間に、突然ドッティがぽそりと言った。



私は自分の両親と、長いお別れができなかった。
特に母とは、2年近く会えないまま、パンデミックで死に目にも会えなかった。
だから私は、会いたい人に、会えるうちに、会っておきたい。

ドッティ

ポール


4月の初めに、12年ぶりにインディアナ州に行くことにした。
インディアナ州は義両親の故郷で、夫の叔父叔母や従兄弟たちがいる。
夫の1番のお気に入りの叔母であるキャロルは義父の姉で、自立して暮らしているが高齢でもあり、元気なうちに会いたいと思う。
あの時、会っておけばよかったと後悔しないように。
今は会おうと思えば会える状況にあるのだから。