太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

仲直りの虹

2023-11-16 06:48:31 | 日記
今朝、夫はなんだかぷりぷりして出かけた。
ここのところ、仕事の朝はいつも機嫌があまり良いとはいえない。

昨日、シュートメがこっちの家に来て、

「最近、○○(夫)が、私たちの前であまり笑顔を見せない気がするんだけど、大丈夫なの?」

と聞いてきた。
いつも思うんだけど、息子なんだから、直接聞けばいいじゃん。
ナッツで亀裂が入った歯を抜いて、インプラントすることになった夫が、その歯医者にちゃんと行っているのか、ということまで私に聞く。
実の親子ゆえにイラつくこともあるし、感情をごまかさずに出してしまったりもする。私も自分の親にはそうだった。
ここでは外野の私は、一人3歩ぐらい下がって、それを眺めている。

「仕事でちょっとストレスがある時があるみたい」

「あら、そうだったの。それであの子はその仕事で大丈夫なの」

シュートメは眉を寄せて言う。知らないよぅ、と心で思う。

「まあ大丈夫でしょ。私は何も気が付かないフリをして、自分のことをやるようにしてる。あの人、何かあったの?なんて聞かれるの嫌がるじゃない」

『宇宙人に決まってる』と思うような人が、いるらしい。
あるとき、宇宙人の番組を見ていた時に、ぽそりとそう言ったのだ。ふうん、と言っただけで深堀りしなかった。
深堀りして、どうなる。
相手の望まない現実を知ったところで、私にできることなど何もない。
バイポーラーとかウツが夫の持病であるというならば、心配性というのも私の持病だといっていい。心配の種は、増やさないに越したことはない。
心配して良いことなど、ひとつもないのだから。


それで今朝も、なんだかぷりぷりして出かけたのだ。
車の鍵がなかなか開かなくて、またイライラして、それも自分がぷりぷりしているからだってことに気づいてない。
で、挨拶もそこそこに出かけていった。
見送って、家に戻ってすぐにホワイトセージで家中を浄化。嫌な気分を私も引きずりたくないから、ネガティブな余韻を大きなハサミでばっさりと断ち切った。
2階で絵の仕事をしているときに、夫から写真が送られてきた。




朝7時のホノルルの虹。
ぷりぷりしてごめんね、の虹ですな、と解釈。
「I love you」
と送信。
「love you too」
しばらくして返信。


最初の結婚で、私は都合の悪いことにことごとく蓋をして失敗したから、今の夫とは都合の悪いことも向き合おうと決めた。
しかし、向き合うのはいい。でもそれに相手を巻き込むと、うまくいかないことがある、ということに気づいた。
相手を巻き込むということは、状況をなんとかしたい、つまり相手をコントロールしたい思いがウズウズしているからで、所詮、他人を変えることはできないし、人に言われて変わるものでもないのだから、お互いにストレスになるだけ。


私は私の中で、まずそのことと向き合う。
それが相手を巻き込んでもいいものか、放っておいたほうがいいものか区別する。
放っておくべし、と決めたものは、何もしなくても、それは臭いものに蓋をしたことにはならない。
だから、同じ過ちを繰り返しているのではないのだ。


再婚して17年。
私はいまだに気づき続けている。
私に子供がいないのは、こんなふうに、自分のことで手一杯だからなんじゃなかろうかと思うのである。