太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

医療保険の話

2020-08-03 09:40:38 | 日記
ハワイ州には、週に20時間以上従業員が働いた場合、その従業員の医療保険を会社が負担する法律がある。
何度も書いてきたけれど、アメリカの医療制度は、大国の割には最低で、
フルタイムで働いていない人は、月に6万円以上の医療保険を払わないとならない。
子供がいれば、その数だけ払うわけで、だからこのパンデミックで収入が激減し、
無保険の人達が一気に増えた。

私の職場も、再開したものの、顧客の99%が旅行者という職種であるため
青息吐息でなんとか生き延びている感じ。
それでとうとう、8月から従業員の医療保険を負担できなくなった。
現在は、従業員は週に1日か2日働けばよく、
週に20時間を超えていないから会社としては保険を払う義務はない。
でも、保険のために働いている人が多いので、その保険がなくなったら、
払ってもらえる職場に転職するという人も出てくる。

ビジネスが活気を取り戻せば、また保険を負担してもらえるのだから、
それまで無保険でもいいか、とは思った。
でも、救急病院で肘のレントゲンを撮っただけで42万円の請求が来る国。(何度も書いてるけど、あたしゃ一生忘れない)
こんなときにうっかり盲腸になったり、転んで怪我などしたら、いったい何百万円ふんだくられるかわかったもんじゃない。
ビジネスが戻るのがいつかもわからないし。

普通に個人で医療保険に入ると、1か月にだいたい7万円から8万円。
夫が、夫の職場で負担してくれている保険に、私を乗せてもらったら、それよりはずっと安いだろうと思ったらば、
1か月に65000円で、歯科が3000円、だという。
アメリカの場合、歯科は別扱い。


それで、公的な医療保険を調べてみた。
政府が窓口になって、民間の保険に加入するという形のようだ。
オンラインで申し込むのだけれど、
それはもう気の遠くなるような面倒な質問を乗り越え(夫が)、ようやく申し込むところまでたどり着く。
グリーンカードと、私の職場から配布された、医療保険がなくなるという通知をスキャンして送る。
そのうち、医療保険がなくなるという通知に、私の個人名がないので審査を通らない、というお知らせがきた。

翌日、私はそのためにわざわざ職場まで出向き、同じ文面の通知に私の名前を加えてもらい、
再びそれをスキャンして送った。
無事に審査が通り、その数日後には保険のカードも届いた。


私が選んだプランは、1か月に一般医療が14500円、歯科が2000円ぐらい。
日本の国民保険がどのぐらいなのか知らないけれど、
まあこのぐらいの金額であれば、週2日ペースで働いても支払うことができる。
それに、今までかかっていたドクターに引き続き行くこともできる。
夫の保険だと、まったく種類が違うので、医者を変えなければならない。

かかりたい医者にかかれないアメリカの保険。
主治医が内科専門なら、外傷でも、最初に主治医に行き、そこで外科を紹介してもらって、
改めて予約を取って外科に行く。
そのとき、外科医を紹介してもらっただけの主治医にも、コーペイ(診療最低料金)として2000円以上を払う。
緊急なら、救急病院に行くが、平気で6時間ぐらい待たされて、目の玉が飛び出るような請求が来る。
それが今のアメリカの医療保険制度。
溜息しか出ないけども、そんなんもみんなひっくるめて、これが私の選んだ生き方なのだ。


申し込む際に、いろんなプランをみてみたら1000円ぐらいからあって驚く。
むろん、安いプランはそれなりにカバー力が落ちるのだろうが、それでも無保険でいるより遥かにいいに違いない。
世帯の収入の上限や、私のように職場側の理由で保険を打ち切られたというような理由が必要だったり、
誰でも公的な医療保険に入れるわけではないけれど、
探せば、アメリカでもちゃんと現実的な金額で保険に入れるのだ。


かくして、これでいつでも救急車を呼べるようになった。
アメリカの医療保険は、あんまりにも古臭くて、保険会社や一部の政治家の利益重視の古い構造だ。
だから、このパンデミックでいろんなことがひっくり返って、
きっと日本みたいになるんじゃないかなー、と勝手に一人ほくそえんでいる。





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