太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

闖入者

2024-04-24 19:32:19 | 日記
義両親の家に遊びに来ていた、隣家の3人兄弟の末っ子トレイが、いきなり我が家に乱入してきた。
トレイは7歳。
映画「ホーム アローン」の主役の男の子に、トレイは似ている。
猫たちは、普段慣れない子供に追いかけまわされて気の毒なばかり。
子供が身近にいないのは猫だけじゃなく、私たちとて同じだ。


「コーちゃんは、どこ?」

寝室のベッドのカバーの下に隠れているコーちゃんを、カバーをはがして頭をなでる。

「僕はね、ただ挨拶したいだけなんだよ」

コーちゃんは必死に我慢している。
3匹の中でも比較的フレンドリーなボーイ猫も、最初のうちはおとなしく触らせていたが、さすがに怖気づいて逃げ出し、
ガール猫に至っては、どこに隠れているやら姿が見えない。

トレイの発散する、すさまじく勢いのあるエネルギーに圧倒される。
トレイの上には、キーリーとライリーという兄がいて、彼らは雨が降っていても、庭の遊具(父親の手作り)で遊びまくっている。
まさに、電池が切れるまで。


取り繕うとか、フリをするとか、遠慮するとか、そういったことからまったく自由な子供という生き物(?)に感動する。
今にしか生きていないことに、羨望すらおぼえる。
私も、子供の頃はそうだったんだろうか。
人は、いつからそうではなくなっていくのだろう。

義父が迎えに来て、名残惜しそうにトレイは帰っていった。
滞在時間は15分ぐらいだったが、私も夫も、猫たちも疲れ果てた。
人も猫も、子供とどうして付き合っていいのか、さっぱりわからないのだ。
こんな子供が3人もいたら、毎日、思わぬことが勃発して、振り回され、自分のことどころではないかもしれない。
甥が小さかったとき、姉が言った。

「もし、いきなりこの状態を押し付けられたら、絶対無理」

つまり、生まれた時からの思い出や愛情の積み重ねがあるから、自我が出て扱いにくくなったときも何とかやっていける、ということなのだろう。


義両親は、隣家の3人兄弟をとても可愛がる。
昔の息子や孫と重なるのかもしれない。
義両親の、彼らの扱いかたが、これがまた上手で、どうしたらあんなに寛容に自然に対応できるのかと思う。
祖父母と離れている兄弟たちも、よく義両親になついていて、よくこうして遊びに来ているのだ。


今頃、家で猫の話をしているトレイの姿が目に浮かぶ。
こうして夥しい思い出を重ねていって、彼らはどんな青年になるのだろう。
子供を産まない、育てないという体験を、私は今生でしているだけで、それについてよかったとも悪かったとも思うことはないのだけれど、時折、もし子供がいたら、という想像しようもないことを思うことがある。








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