太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

映画マラソン

2015-11-17 15:35:20 | 勝手な映画感想
今、ハワイでは国際映画祭を開催中。

これは年に2回あるのだけれど、観たい映画がある時もあるし、

全くない時もあって、ここ2年ぐらいは行っていなかった。

ところが今回は、観たい映画が目白押し。

10日間しかないのに、16本のチケットを買った。

期間中、平日は毎日、仕事のあとに1本から2本のペース。

だから毎日帰りは遅くて、記事も更新する間もないというわけ。

この前の日曜日など4本も観た。まるで映画マラソン。

幸い、シネマコンプレックスで、場所の移動がないのが救いだ。


大昔、新宿で友達とオールナイトを観たのを思い出す。

オールナイトは、昔の映画を朝の4時とか5時まで何本も上映するもので、

週末だけやっている映画館もあった。

今でもオールナイトをやっている所はあるんだろうかなあ。

その時観たのは「時計じかけのオレンジ」しか覚えてないけど、わけがわからない映画だった。

昔は映画は二本立てが普通で、目当ての映画よりも、もう1本の方が良かった、なんてこともあった。

それって、レコード盤のA面、B面みたいだ。



今日で5日目。

8本観たうちで、印象に残ったのは3本。


「lost &found」

東北の津波のあと、海に流された色々なものが海流に乗って

その一部がアラスカに打ち上げられた。

その持ち主を探し出し、拾った人達が日本に行って

直接持ち主に返すというドキュメント。


「made in Japan」

トミ藤山という、日本人でありながらアメリカカントリーの歌手のドキュメント。

元々は演歌を歌っていたのが、カントリーに出会って、戦後に進駐軍を回って歌うようになった。

トミさんご自身が映画館に来ていて、映画のあと、素晴らしい歌声を披露してくれた。

なんと言っても、彼女の明るくてポジティブな人柄が素敵。


「wonderful nightmare」

韓国の映画。

やり手の女性弁護士である主人公は、事故で死んでしまうのだが、

実はそれは手違いだったことがわかる。元の人生に戻るには、全く別の人間の人生を

1ヶ月だけ生きる、という条件があった。

いわゆる韓国ドラマものは苦手な私。

でもこれは、面白かった。


夫は「cape nostalgia」(たぶん邦題は不思議な岬の物語)がよかったらしい。

よかったけど、吉永小百合が、またマドンナ的な役柄ってのがなあ。





映画はいいなあ。



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なにもない島

2015-11-10 22:45:04 | 日記
だいぶ前に読んだ本に、なにもない島のことが書いてあった。

それを書いたのは、地図に載っていないような場所に行くのが好きな人で

その島も、もちろん地図には載っていない小さな島だ。


その島は船でしか行くことができない。

彼は島に辿り着いたものの、よそ者に慣れていない島人は遠巻きにするばかり。

最初に近づいてきたのは子供らで、彼はおもしろい動作をしながら彼らと打ち解け、

子供の中の一人が、彼を家に連れていって、初めて島の大人と話すことができた。


単語を少しずつ覚えながら、そこでの生活が始まった。




あるとき、何人かが集まっているところで、一人が

「ちょっとタバコ買ってくるワ」

と言ってその場を離れた。

ところが何日たっても、彼は戻ってこない。

気になって、その人の奥さんに聞いたところ、

もうそろそろ戻ってくるのではないか、と特に心配するふうでもなく言った。

聞けば、タバコを買うために小船を出して、延々と漕いでどこかまで行くのだという。



また、あるとき、

今夜は天気が大荒れになるから、大事なものを持って避難するようにと言う。

どこに行くのかと思えば、それぞれに高い椰子の木が割り当てられており、

そのテッペンに体ごと縛り付ける。

彼もみんなのように椰子の木のてっぺんに縛り付けられ、果たしてその夜、

大きな嵐がやってきた。

椰子の木は大揺れに揺れ、右に左に翻弄されて、生きた心地もしなかったが

無事に嵐は去って、翌朝みんな無事で椰子の木から下りてきた。


海抜が低いその島は、たいていの建物は流されてしまっていたが、

誰もそれを嘆く様子もなく、淡々と建て直しにかかった。




私はこの本をもう一度読みたいと思うのだけれど、

作者もタイトルも失念してしまった。



電話もゲームもテレビもない。

島民みんなが家族みたいなもので、そのことの煩わしさもあるかわりに、

失業することも、野たれ死ぬこともない。

ひとつの袋に収まるぐらいの所持品で、生涯をすごす。

持たないから、失うこともない。

今更、その島で暮らすことは難しいかもしれないが、

そこには私たちが、今欲しくても、もう手に入れられないものがたくさんある。






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ソーラーのその後

2015-11-08 15:00:14 | 日記
屋根にソーラーを取り付けて、2ヶ月になる。

最初にきた電気代の請求書は150ドル。

これはソーラーを付ける前も含んでいる。

そのすぐあと、夫の両親が旅行に出かけた。

ソーラーを付けてから、初めてまるまる1ヶ月分の電気代、

しかも両親がいないから、私達二人だけが使った分はいくらになるかがわかる。

「10ドルだったりして」

「3人家族のジェイソンちで17ドルだっていうから、10ドル切るかも」

「フロスティんちは、プールがあるのに8ドルだってよ?」

「それじゃあ5ドルかもねー」

取らぬ狸の皮算用とはこのことで、おおいに盛り上がった。

そして受け取った請求書。



50ドル。





あれ。

こんなもん?

ジェイソンんちも、フロスティんちも目と鼻の先だっていうのに。

昼間は二人とも留守で、うちにはエアコンだってないのに。

猫のために天井ファンをつけたまま出かける日もあったが、それにしても。

でもまあ、ソーラーを付ける前に払っていた電気代は550~600ドルたったから

10分の1になったと思えば、かなりの効果があるといえないこともない。


ホノルルの集合住宅に住んでいる友達は、エアコンを使うと100ドル超えるといった。

衣類乾燥機も、手加減しないで使うとたちまち上がる。

日本で、アパートから一軒家になったとき、無駄使いしていないのに

電気代が一気に高くなって驚いたことがあった。

我が家も一軒家だから高いのか、それとも使い方なのか、漏電してるとか?

たぶん一番かかるのは乾燥機で、あとは照明好きな義母が電気をつけて歩くこと、

毎晩料理をするのはウチだけで、両親側はキッチンをあまり使わないし

ウチは毎晩映画をみるが、両親側は滅多にテレビも見ない。それだけで550ドルいくか?

550ドルといったら、6万円以上だもんなあ。

とにかく、取り付けには費用がかかったけど、安くなってよかった。


ハワイの物価には、もう慣れた。

日本から来た知人が、トイレットペーパーが12ロールで1500円以上するといって

目を丸くしていた。

「どんだけ高級なのよー」

まったくね。でもここではそれを買うしかないのだよ。


電気代が10分の1。

太陽の恵みに大感謝。




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タイミング

2015-11-05 21:33:41 | 日記
平日休みの今日、Jの家に行き、ランチをした。



Jはイギリス人で、韓国人の夫を持ち、水彩画のアーティストである。

Jに初めて会ったのは3年近く前の、コラージュのワークショップだった。

初対面で、その人と仲良くなれそうな気がするとか、苦手だといった印象を感じることは多い。

そしてだいたい、その印象は当たっている。

Jとは、最初からなんとなく気が合った。


2回目に会ったのは別のワークショップで、

そのあと数回、メールをやりとりしただけで、ぷっつりと連絡をとらなくなった。

それから2年半。


先週、Jが私の作品を展覧会で見た、といってメールをよこした。

いつか会いましょうよ、と過去も何度も言い合って、でも実現することはなかった。

今回も、会いましょうよ、いいね、のあと、「じゃあ来週は?」と聞いてきた。

そして今日、会うことになったのだった。



私は五目寿司を作り、市販のロールケーキを持って行った。

Jはほうれんそうのキッシュを作って待っていた。


庭が見えるテラスでランチを食べ、一緒にコラージュを制作した。

2年半も会っていなかったことなど嘘のように、私たちはしゃべりにしゃべり倒した。

家族のこと、自分のこと、更年期のこと(Jは私より2つ上だ)、アートのこと、

あれもこれも話したくて、ろくに作品は進まなかったほどだ。

不思議と、言葉の壁などなにも感じない。

私が伝えたいことは自然と伝わるし、Jが言いたいことはみんなわかる。



「どうしてこんなにあなたのことを近く感じるのかなあ。姉妹みたいよ」

Jが言った。

それは私とて同じ気持ちだった。

Jのユーモアのセンスも、相手を思いやる気持ちも、正直さも、とても私には心地がよいもので、

ただ私が日本人でJがイギリス人という違いしか、二人の間にはないのだ。



職場の同僚とは仲がいいけれど、仕事以外に個人的に会うことはない。

平日となれば、私が休みなら誰かが仕事をしているわけだし、

仕事が終わればそれぞれに忙しい。

唯一、一緒に出かけられる友達は、平日休みがない仕事に転職したばかりで、

先週、「平日ランチはこれが最後だね」と言って会いおさめをしたところだ。



そのタイミングで、Jとの交流が復活。


今日、あまりに楽しかったから、これから月に1日、こうして会うことを約束した。


誰かと近くなるのも、疎遠になるのも、みんな理由がある。

日本の友人で、知り合ったのは25年も前なのに、その間4,5年も音信不通だったかと思うと

突然連絡を取り出して、またぷっつりと途絶える人がいる。

不思議なのは、連絡を取り合うのは、それがみんな私の大きな転機の前で、

彼女は大きな一役をかったあとで、また消えてゆくのだ。





起きて欲しいことが起きなかったり、起こってほしくないことが起きると

そのたびにストレスを感じるけれども、

来た道を振り返れば、

どんなふうにみえても、すべてはベストのタイミングで起きたり

起きなかったりしていることを認めないわけにいかないのである。









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ハロウィンのあと

2015-11-04 08:57:51 | 日記
今年のハロウィンは、朝のうちは雨が降ったけれど、

夜はまあまあ晴れて、みなさん楽しい時間を過ごした模様。

11月になって、世間はホリデーシーズンに突入した。

我が家でも、26日のサンクスギビングに誰を呼ぶかで準備が始まっている。

昨年は、夫の両親が旅行中で、軽く1億を越す高級コンドミニアムに招待されたっけ。

いい目の保養になった。



昨日、仕事帰りに車を運転していたら、

前方の路上に何かが落ちている。

踏まないように、ゆっくり走って、それが何かわかったとき、

心臓がキュッとなった。



切り取られた人間の手首が、切り口から血を流してころがっていた



それが作り物だというのはわかる。

わかるが、薄暮の道路で、それはあまりにも生々しい。

これだから、ハロウィンのあとは嫌なんだ。

車のトランクから、人間の片足が出た状態のまま走っている車とか(もちろん人形)

頭に斧が刺さったまま運転している人とか(当たり前だけど作り物)

遊び心はたのしいけれど、心の準備がないと心臓が縮む。






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