太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

1.4m

2016-10-16 18:26:51 | 日記
ガレージに入るドアを開けたら、いきなり せせらぎ に出くわした。

(注)せせらぎとは、ゴ○○リのことで、あまりの気色悪さにその名前も口にしたくないため、
伊坂幸太郎氏の小説から引用して「せせらぎ」と呼ぶことにしているのである


せせらぎは、ガレージの真ん中で、きっちりこちらを向いており、

体長は6センチはある、いやらしくてらてらしたやつだ。

私が自力で対処できる大きさの限界は、1センチまでである。

よって、見なかったことにして、ドアを閉めようとしたが、

ガレージは私達の住まいに非常に近い場所にあり、このまま放置したら、

あれがウチのほうにやってこないとも限らない。

という恐怖が、閉めかけたドアを再び開けさせた。


せせらぎから目を離さないまま(あいつらは目をそらすと動く傾向にあるので、気持ち悪いが仕方がない)

ガレージの隅にあるリサイクル入れの箱から掴めるだけの古新聞を取り出し、

長い方向に丸めて先を持った。

いつでも逃げ出せる姿勢を保ったまま、腰をかがめ、丸めた新聞紙を伸ばして息を止め、

狙いを定めてせせらぎを打った。



逃げられるかと思いきや、あっさりとせせらぎは打たれた。

しかし、あいつらは弱ったふりをして、油断させた隙に逃げることもあるので、

もう一度叩いた。

何か理由があって、弱っていたのだろう。

動かないのを確かめて、一度は2階に引き上げたのだが、やつが再び動き出したのではという妄想がわいてきて、

その場合は食器洗剤をかけようと、洗剤を手にして確認しにガレージに行った。

せせらぎは、同じ場所にひっくり返ったままだった。



新聞紙の長い方が、だいたい90センチ弱として(アメリカの新聞は日本よりも一回り小ぶり)

私の腕が50センチ強とすると、足して1.4メートル。

体長6センチであっても、1.4mの距離があれば私にもなんとか対処できることがわかった。



せせらぎは、たぶん夫の父が片付けてくれたのだろう。

翌朝、出かける前に見たら、いなくなっていた。

片付けられるようになるのは、まあ到底無理だろうと思われる。






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せんべいじる

2016-10-13 19:50:09 | 食べ物とか
日本食スーパーで、青森フェアをやっていた。

こじんまりとしたスペースだが、リンゴやホタテ、にんにくなどを使った特産品が並んで、

見ているだけでも楽しい。

きっと日本にいたら目にも留まらないようなものが、いちいち気になる。

その中に、「せんべい汁」があった。


もう何年も前、青森出身の友人にせんべい汁をもらった。

スープの中に、南部せんべい(のようなもの)を割って入れて食べる。

ふやけたせんべいは、ぐずぐずにならずに歯ごたえが残っている。

初めて食べたそれが美味しくて、夫も私もせんべい汁のファンになったのだったが

それっきりせんべい汁に出会うこともなく、忘れていた。


そのせんべい汁が目の前にあるのだ。これは買うしかないだろう。

二人分で、1000円。高いか安いかわからない。

カニとウニと二種類ある。

私はウニが好きだけれど、夫はウニがダメなのでカニを買った。

青森フェアのために青森から来た人だろうか、せんべい汁の説明をしてくれた。

ご飯をこれで炊いて、炊き込みご飯にしてもいいらしい。

「その場合はもち米を少し入れるといいですよ」

ああ、もち米入りの炊き込みご飯!!美味しいだろうなあ、そりゃ。



早速その夜、沸かしたお湯に液体のスープを入れ、具を入れて、

家にあった豆腐とえのきだけを加えて、せんべいを割りいれた。


あっさりとしたスープが、やさしい味だ。

「こういう味だった?」

「うーん、よく覚えてないけど」

美味しかったことは覚えているが、どんな味だったかは覚えていない・・・

かなりあっさり味だったけれど、美味しかったからいいだろう。


食べ終わって、食器を片付けているときに、

鍋の蓋の下から真空パックになった調味料が出てきた。

味噌のような色だから、本来は味噌味だったのかもしれない。

あのスープは、出汁だったからあんなにあっさりしていたのか。


何年ぶりかで出会ったせんべい汁。

いったいどんな味がしたのだろうと思いつつ、そっとその味噌パックを捨てた。





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怖かったはなし

2016-10-10 18:42:54 | 日記
今までの人生の、怖かった話に順位をつけるとしたら、

堂々の1位はトイレに落ちかけたことだろう。



幼稚園の頃だったと思う。

当時は一般家庭で水洗トイレの設備があるのは珍しかった。

私の家も汲み取り式で、足の下は空洞なのだと思うと高所恐怖症でなくてもゾっとして

なるべく穴の下は見ないようにしていた。

その日、トイレにある大人用サイズのスリッパを履いて便器をまたいだのだが

大きすぎるスリッパが便器に引っかかって、着地するべき床を素通りした足が、

スローモーションのように宙を浮き、あっというまに体ごと便器の中に落ちた。

とっさに両肘を便器に引っ掛け、すんでのところで持ちこたえた。


しかし、いつまでもこのままでいられはしない。

母は留守で、祖母だけが家のどこかにいるはずだ。

何とか祖母を呼びたいのだけれど、声が出てこない。

「おーばーーちゃーー・・・・ん」

弱ったガチョウのような声しか出ないのだ。

足がぶらぶらと浮いている。


(もし、落ちたら)


衛生車のおじさんが汲み取りに来たのはいつだったろう。

私の身長よりも浅かったら助かるけど、そうじゃなかったら・・・

・・・・・・・死ぬだろな。

ずっとずっとあとになっても、あの子はお便所に落ちて死んだって言われるな。

子供ながらに自分の死んだあとのことまで考えた。


腕がしびれてくる頃、弱ったガチョウの声を聞いたか、祖母が来てくれて

私はお便所で死なずに済んだのだった。








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パドルボード

2016-10-09 18:10:04 | ハワイの自然
すっきりと晴れたので、夫の両親も一緒にノースショアに出かけた。




サンセットビーチ

冬に近づいてきて、波が少しずつ高くなってゆく。









ワイメアビーチを見下ろす




今日の目的は、パドルボードをやってみようというのだ。

パドルボードは正式には スタンドアップパドルボード といって、

その名の通り、サーフボードの上に立って、パドルで漕いで進む。


こういうやつ(イメージ。ぼけぼけだけど)


ノースショアで友人家族と待ち合わせて、カヤックやらパドルボードやらをレンタルした。


みんなパドルボードは初めての人ばかり。

波が高い沖のほうは安定が悪いので、海から続いている川を上るような感じで

穏やかな水の上を漕ぎ始めた。

バランスをとるのに少し時間がかかって、でも慣れてくるとすいすいのんびり進んで気持ちがいい。

といっても、泳げない私は大きいサイズのボードを夫とシェアして、ほとんど漕ぐのは夫だったけど。

ボードをまたぐように座ると、膝から下が水の中に入って、足をオールがわりに動かす。

川の(海水だが)両側をマングローブが茂り、大きな海亀が何匹も水面から顔を出していた。

夫の両親も友人達も、すぐに慣れて、1時間などすぐに経ってしまう。

水で遊んだあとは家から持ってきたサンドウィッチや果物を広げて、木陰でピクニック。






実はノースショアに行くのは久しぶりだ。

最近は、コーヒーに加えてカカオも少しずつ作り始めていて、

そのうち、ノースショア産カカオで作ったチョコレートが食べられるようになるだろう。







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「へえー」は日本語か

2016-10-05 20:30:36 | 英語とか日本語の話
日本のテレビ番組を見ていると、

会場にいる観客や、ひな壇に並んでいる芸能人が


「へえーーー!!」


と言うのを、夫が真似をする。

「へえー」と言うのは日本人だけだというのである。

そんなばかな。

驚いたときのリアクションとして、「へえー」は万国共通ではないのか。

「他の国の人はわからないけど、アメリカ人は言わないと思うなあ」

と夫が言うので、アメリカの番組を見てみた。




ほんとだ。



「へえーー」と言うべき状況で、彼らは「おぅーー」とか「わおー」とか言う。

それに気づいてから、職場で、「へえ」がやたらと耳に入ってくる。

アメリカ人、オーストラリア人、カナダ人、フィリピン人、中国人、イギリス人などに混じって

日本人のグループから

「へえー」

が聞こえてくる。


また、

日本から来た日本人か、日系の日本人か、中国か韓国か、判断に迷うとき

お財布からお金を出すときにつぶやく

「エート・・」

で日本人だとわかる。


言葉とは言えない、こんなつぶやきにも

日本語はあったのである。





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